ヘッドアンドショルダーズと逆張り|相性と使いどころ(第43回)
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🧠 第43回 ヘッドアンドショルダーズと逆張りの相性
前回は、ダブルトップとダブルボトムをフィボで読む方法を整理しました。
👉 前回の記事はこちら:第42回:ダブルトップとダブルボトムをフィボで読む
高値や安値が2回並んだだけで判断せず、
測る波、2回目の位置、ネックライン、抜け後の戻りや押し、損切りと目標まで確認する。
形そのものではなく、形がどの波のどの位置に出ているかを見る、という話でした。
今回は、もう少し大きな反転パターンに進みます。
テーマは、ヘッドアンドショルダーズと逆張りの相性です。
日本語では、三尊や逆三尊と呼ばれることも多い形です。
このパターンも有名なので、
「三尊が出たから売り」
「逆三尊が出たから買い」
「ネックラインを抜けたから完成」
と考えたくなります。
しかし、ヘッドアンドショルダーズは、見た目が整っていても失敗しやすい場面があります。
📌 結論から言うと、ヘッドアンドショルダーズは、
左肩、頭、右肩を波として分け、右肩の位置、ネックライン、抜け後の戻り・押し、損切りと目標
を順番に確認してから売買候補にします。
フィボナッチを使う目的は、三尊や逆三尊を当てることではありません。
右肩がどの戻し位置にあるのか、頭がどれだけ行き過ぎたのか、ネックライン抜け後に管理できる形かを整理するために使います。
🧭 この回の読みどころ
RETRACEMENT 戻し比率
EXTENSION 拡張比率
比率は反転を決める点ではなく、値動きの位置関係を整理する目安として確認します。
左肩、頭、右肩を波として分け、右肩の比率、ネックライン抜け、抜け後の戻りや押しを確認してから判断します。
🧭 全体の確認順
ヘッドアンドショルダーズを見る時は、次の順番で確認します。
- 上位足のどこに出ている形かを見る
- 左肩、頭、右肩を波として分ける
- 頭を作った推進波を決める
- 右肩が38.2%、50.0%、61.8%、78.6%のどこにあるか見る
- 頭が100.0%をどれだけ超えたか見る
- ネックラインを先に決める
- ネックライン抜けを足の確定で確認する
- 抜け後の戻りや押しで再確認する
- 損切り位置を右肩や頭の外側で決める
- 第1目標までの距離があるか見る
この順番にすると、三尊や逆三尊を単なる形ではなく、波の失速と構造転換として読みやすくなります。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🚫 三尊だから売りではない
ヘッドアンドショルダーズは、左肩、頭、右肩が並ぶ反転パターンです。
売りで見る場合は、中央の頭が一番高く、右肩で上昇が弱くなり、ネックラインを割る流れを確認します。
逆ヘッドアンドショルダーズはその反対です。
中央の頭が一番安く、右肩で下落が弱くなり、ネックラインを上抜ける流れを確認します。
ただし、見た目がそれらしくても、すぐ売買サインにはなりません。
- 上位足ではまだ強い上昇トレンドの途中
- 右肩に見えた場所がただの小さな押し戻り
- ネックラインが曖昧で人によって引き方が違う
- 抜けた直後に追いかけて損切りが遠くなる
- 第1目標までの距離が短く、管理しにくい
こうした形は、三尊や逆三尊に見えても見送る候補です。
ヘッドアンドショルダーズは、完成を予想する形ではなく、完成を確認してから管理できるかを見る形です。
🧱 上位足の位置を先に見る
最初に見るのは、パターンが出ている場所です。
売りで使うヘッドアンドショルダーズなら、上位足の抵抗帯や戻り売り候補で出ているかを確認します。
買いで使う逆ヘッドアンドショルダーズなら、上位足の支持帯や押し目買い候補で出ているかを確認します。
確認したい場所は、
- 前回高値や前回安値
- 大きなレンジの上限や下限
- 何度も反応している水平帯
- 上位足の38.2%、50.0%、61.8%、78.6%の候補帯
- 大きな上昇や下落が始まった起点
です。
上位足の節目に重なっていれば、パターンを見る理由が増えます。
反対に、レンジの真ん中や、上位足の流れに逆らう場所なら、形がきれいでも無理に使いません。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
📐 左肩・頭・右肩を波として分ける
ヘッドアンドショルダーズで大事なのは、3つの山や谷をただ並べて見ることではありません。
左肩、頭、右肩を、それぞれ波の役割として分けます。
売りで見るなら、
- 左肩は、最初に上昇が止まった場所
- 頭は、最後に高値を更新した場所
- 右肩は、再上昇したけれど頭を超えられなかった場所
です。
買いで見るなら、
- 左肩は、最初に下落が止まった場所
- 頭は、最後に安値を更新した場所
- 右肩は、再下落したけれど頭を割れなかった場所
です。
この分け方をすると、右肩は「形の飾り」ではなく、勢いが弱くなったかを確認する場所になります。
🔺 ヘッドアンドショルダーズを売りで読む
売りで見る時は、頭を作った上昇波を先に決めます。
その上昇波に対して、右肩がどの戻り位置にあるかを見ます。
右肩が、
- 前回の抵抗帯
- 頭からの下落に対する50.0%戻し
- 61.8%付近の戻り売り候補
- 深くても78.6%付近で止まる形
- 頭を超えられずに失速する形
なら、売り候補として観察しやすくなります。
ただし、右肩で売るのではありません。
右肩は、上昇が弱くなったかを見る場所です。
実際に売買候補へ進めるのは、ネックライン割れや、割れた後の戻りで再び上がれない動きが見えてからです。
右肩の位置、ネックライン、抜け後の戻りや押しを確認してから、損切りと目標まで管理します。
🔻 逆ヘッドアンドショルダーズを買いで読む
買いで見る時は、頭を作った下落波を先に決めます。
その下落波に対して、右肩がどの押し位置にあるかを見ます。
右肩が、
- 前回の支持帯
- 頭からの反発に対する50.0%押し
- 61.8%付近の押し目候補
- 深くても78.6%付近で止まる形
- 頭を割れずに切り上がる形
なら、買い候補として観察しやすくなります。
ここでも、右肩で急いで買う必要はありません。
右肩は、下落が弱くなったかを見る場所です。
ネックラインを上抜け、抜けた後の押しで支えられるかを見てから、買い候補として扱います。
📏 右肩の位置をフィボで見る
フィボナッチで一番見たいのは、右肩の位置です。
売りなら、頭からネックライン方向へ下げた波に対して、右肩の戻りがどこまで入ったかを見ます。
買いなら、頭からネックライン方向へ上げた波に対して、右肩の押しがどこまで入ったかを見ます。
目安としては、
- 38.2%は浅い戻りや押し
- 50.0%は中間の戻りや押し
- 61.8%はよく意識される戻り売り・押し目買い候補
- 78.6%はかなり深い戻りや押し
として見ます。
大事なのは、どの比率なら必ず反転するかではありません。
右肩が比率帯で止まり、そこからネックライン方向へ再び動けるかです。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🧩 ネックラインは水平とは限らない
ネックラインは、左肩と頭の間の谷、または山と、頭と右肩の間の谷、または山を結んで考えます。
きれいに水平になることもあります。
少し右上がりになることもあります。
少し右下がりになることもあります。
水平でなければ使えない、というわけではありません。
ただし、ネックラインが曖昧すぎる形は注意します。
- どの安値や高値を結ぶのか迷う
- ネックラインが急角度すぎる
- 抜けたかどうかが足の終値で確認しにくい
- 直近の節目とずれている
こうした場合は、パターン完成を急がず、水平帯や直近高値安値と合わせて見ます。
⏳ ネックライン抜けを急がない
三尊や逆三尊は、ネックラインを抜けた時に注目されやすいです。
しかし、抜けた瞬間に飛び乗ると、損切りが遠くなりやすくなります。
特に、長い陰線や長い陽線で一気に抜けた場合は注意します。
勢いよく抜けたように見えても、その後すぐネックラインの内側へ戻ることがあります。
確認したいのは、
- 抜けた足が確定したか
- 終値で抜けているか
- 抜けた後に戻りや押しを作るか
- 戻りや押しでネックライン付近が抵抗や支持に変わるか
です。
ネックライン抜けは、売買の合図というより、観察段階が一つ進んだサインとして扱います。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🔁 抜け後の戻り・押しを見る
ヘッドアンドショルダーズで扱いやすいのは、抜けた後に一度戻る形です。
売りなら、ネックラインを割った後、ネックライン付近まで戻り、そこで上げ止まるかを見ます。
買いなら、ネックラインを上抜けた後、ネックライン付近まで押し、そこで下げ止まるかを見ます。
この戻りや押しで、
- ネックライン付近が抵抗や支持に変わる
- 下位足で高値安値の切り替わりが出る
- 右肩の外側に損切りを置ける
- 第1目標までの距離が残っている
なら、管理しやすい候補になります。
抜けた直後よりも、抜け後の戻りや押しのほうが、損切り幅を決めやすいことがあります。
🛑 損切り位置をどこに置くか
損切り位置は、パターンの外側に置きます。
売りなら、右肩の高値の外側が基本です。
右肩が小さすぎる場合や、すぐ上に頭の高値がある場合は、頭の外側まで見ることもあります。
買いなら、右肩の安値の外側が基本です。
右肩が小さすぎる場合や、すぐ下に頭の安値がある場合は、頭の外側まで見ることもあります。
ここで確認したいのは、損切りをどこに置くかだけではありません。
その損切り幅に対して、第1目標までの距離が足りるかです。
損切りが遠すぎるなら、形がきれいでも見送ります。
🎯 第1目標を近い順に見る
第1目標は、遠い目標から決めません。
近い順に確認します。
売りなら、
- ネックライン抜け後の直近安値
- 頭からネックラインまでの値幅の38.2%や50.0%分
- 左肩付近の節目
- 上位足の支持帯
を見ます。
買いなら、
- ネックライン上抜け後の直近高値
- 頭からネックラインまでの値幅の38.2%や50.0%分
- 左肩付近の節目
- 上位足の抵抗帯
を見ます。
三尊や逆三尊には、頭からネックラインまでの値幅を投影する考え方もあります。
ただし、最初から遠い値幅目標だけを見ないことが大事です。
まず近い壁まで届くかを確認します。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🧪 右肩が浅すぎる形
右肩が浅すぎる形は、入りどころが難しくなります。
売りなら、頭から下げた後にほとんど戻らず、そのままネックラインを割ってしまう形です。
買いなら、頭から上げた後にほとんど押さず、そのままネックラインを上抜けてしまう形です。
この形は勢いが強く見えます。
しかし、追いかけると損切りが遠くなりやすいです。
浅い右肩では、
- 38.2%にも届かず戻りや押しが浅い
- 入る場所がネックライン抜け直後になりやすい
- 損切りが右肩の外側でも遠い
- 第1目標までの余地がすでに減っている
という問題が出やすいです。
見送るか、抜け後の戻りや押しを待ってから考えます。
⚠️ 頭が伸びすぎた形
頭が大きく伸びすぎた形も注意します。
売りなら、頭だけが上へ大きく飛び出して、右肩との距離が大きすぎる形です。
買いなら、頭だけが下へ大きく飛び出して、右肩との距離が大きすぎる形です。
頭の伸びが強すぎると、ネックラインまでの値幅も大きくなります。
その結果、
- 損切り候補が遠くなる
- 第1目標までの距離が合わない
- 右肩が小さく見えすぎる
- ネックライン抜け後の戻りが深くなりやすい
という管理の難しさが出ます。
頭が100.0%を大きく超えて127.2%付近まで伸びたような形は、勢いの行き過ぎとして観察します。
ただし、行き過ぎただけで反転と決めず、右肩とネックラインで確認します。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🧷 ダブルトップ・ボトムとの違い
前回のダブルトップやダブルボトムと、今回のヘッドアンドショルダーズは似ています。
どちらも、上昇や下落の勢いが止まり、ネックラインを使って構造転換を確認する考え方です。
違いは、右肩の存在です。
ダブルトップやダブルボトムは、2回目の高値安値が重要になります。
ヘッドアンドショルダーズは、頭を作った後の右肩が重要になります。
つまり、三尊や逆三尊では、
- 頭で最後の更新が出る
- 右肩で更新できなくなる
- ネックラインで構造転換を確認する
という順番になります。
右肩は、最後の反転を当てる場所ではなく、勢いの低下を確認する場所です。
🧭 上位足と下位足の役割
ヘッドアンドショルダーズでも、時間足の役割を分けます。
上位足では、場所を決めます。
抵抗帯、支持帯、レンジ上限や下限、大きなフィボナッチ候補帯を確認します。
中位足では、左肩、頭、右肩、ネックラインの形を確認します。
下位足では、右肩付近やネックライン抜け後の戻り・押しで、実際の反応を確認します。
この役割分担をしないと、
- 上位足の流れに逆らってしまう
- 下位足の小さな三尊を大きく見すぎる
- ネックライン抜けだけで追いかける
- 損切りと目標が時間足に合わない
というズレが出やすくなります。
上位足で場所、中位足で形、下位足で反応を見ると、判断が整理しやすくなります。
📝 売り例
売り例を簡単に整理します。
上位足では、前回高値付近の抵抗帯に価格が到達しています。
中位足では、左肩を作った後に一度押し、再び上昇して頭を作りました。
その後、ネックライン方向へ下げ、戻りで右肩を作ります。
右肩は、頭からの下落に対する61.8%戻し付近で止まりました。
次に、ネックラインを終値で下抜けました。
すぐ追いかけず、ネックライン付近への戻りを待ちます。
戻りで再び上がれず、下位足で高値を切り下げたら、売り候補として見ます。
損切りは右肩の高値の外側。
第1目標は、直近安値、次に頭からネックラインまでの値幅の38.2%から50.0%分を目安にします。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
📝 買い例
買い例も同じ順番で考えます。
上位足では、前回安値付近の支持帯に価格が到達しています。
中位足では、左肩を作った後に一度戻り、再び下落して頭を作りました。
その後、ネックライン方向へ反発し、押しで右肩を作ります。
右肩は、頭からの反発に対する61.8%押し付近で止まりました。
次に、ネックラインを終値で上抜けました。
すぐ追いかけず、ネックライン付近への押しを待ちます。
押しで再び下がれず、下位足で安値を切り上げたら、買い候補として見ます。
損切りは右肩の安値の外側。
第1目標は、直近高値、次に頭からネックラインまでの値幅の38.2%から50.0%分を目安にします。
✅ チェックリスト
ヘッドアンドショルダーズを見る時は、最後に次の項目を確認します。
- 上位足の抵抗帯や支持帯に出ているか
- 左肩、頭、右肩を波として分けられるか
- 頭を作った推進波を先に決めているか
- 右肩の戻りや押しがフィボナッチ比率で整理できるか
- ネックラインを先に決めているか
- ネックライン抜けを終値で確認しているか
- 抜け後の戻りや押しを待てるか
- 損切りを右肩や頭の外側に置けるか
- 第1目標までの距離が足りるか
- 形だけで入っていないか
このチェックを通すと、三尊や逆三尊を「見えたから入る形」ではなく、「条件が揃えば候補にする形」として扱いやすくなります。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🧾 まとめ
今回は、ヘッドアンドショルダーズと逆張りの相性を整理しました。
重要なのは、三尊や逆三尊を見つけることではありません。
左肩、頭、右肩を波として分けること。
右肩の位置をフィボナッチで確認すること。
ネックライン抜けを急がず、抜け後の戻りや押しを見ること。
損切りと第1目標まで含めて管理できるか確認すること。
この順番があると、ヘッドアンドショルダーズは強い逆張り候補になります。
反対に、右肩が曖昧、ネックラインが曖昧、損切りが遠い、第1目標が近い形は、見た目がきれいでも見送ります。
形ではなく、位置、右肩、ネックライン、管理条件で読むことが大事です。
🔜 次回予告
次回は、拡大型パターンはどこまで信用していいのかをテーマにします。
👉 次回の記事はこちら:第44回:拡大型パターンはどこまで信用していいのか
高値と安値が広がっていく形を、すぐ反転候補として扱ってよいのか。
それとも、行き過ぎや乱れとして見送るべきなのか。
フィボナッチ、ネックライン、損切り幅の観点から整理します。

