フィボナッチリトレースメントの起点|毎回同じに引くルール(第37回)
FIBONACCI REVERSAL NEWSLETTER / 第37回 / 三段上げ・三段下げ
📐 第37回 リトレイスメント起点を毎回同じにするルール
前回は、三段下げの買い判断をどこで固めるかを整理しました。
👉 前回の記事はこちら:第36回:三段下げの買い判断をどこで固めるか
三段目の安値更新だけでは買わない。
上位足の支持帯で失速を確認する。
戻り高値の上抜けを待つ。
押しで安値を切り上げた後に、損切りと目標を組み立てる。
三段上げ、三段下げの章では、反転候補を見つけた後に、構造が切り替わるまで待つことを確認してきました。
今回からは、リトレイスメントを実戦で使う時の土台へ入ります。
テーマは、リトレイスメント起点を毎回同じにするルールです。
フィボナッチを引く時に一番ブレやすいのは、実は比率そのものではありません。
61.8%を見るのか。
78.6%まで待つのか。
38.2%で止まるのか。
こうした比率の前に、もっと大事な問題があります。
それが、どの波を測っているのかです。
📌 結論から言うと、リトレイスメントは、
推進が始まった起点、推進が終わった終点、確定後に引き直さないルール
を先に固定してから使います。
起点と終点が毎回変われば、同じチャートでも61.8%の位置が変わります。
位置が変われば、エントリー候補、損切り、目標、見送り判断も全部変わります。
だから、比率を覚える前に、測る波を固定する必要があります。
🧭 この回の読みどころ
RETRACEMENT 戻し比率
比率は反転を決める点ではなく、値動きの位置関係を整理する目安として確認します。
推進が始まった起点と、推進が止まった終点を先に固定し、押し戻りの候補帯として比率を確認します。
🧭 リトレイスメントを固定する全体の順番
フィボナッチリトレイスメントを使う時は、次の順番で確認します。
- どの時間足の波を測るか決める
- 推進が始まった起点を決める
- 推進が終わった終点を決める
- 終点が確定するまで待つ
- 起点から終点へフィボナッチを引く
- 38.2%、50.0%、61.8%、78.6%の位置を確認する
- 候補帯に来ても、反応確認なしでは仕掛けない
- 都合が悪くなってから起点を引き直さない
この順番を飛ばすと、フィボナッチは便利な道具ではなく、後付けの理由になりやすいです。
まずは、どの波を測っているのかを固定します。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
⚠️ 起点がずれると何が起きるか
起点が少し変わるだけで、比率の位置は変わります。
特に値幅が大きい波では、起点の数本の違いだけでも、61.8%や78.6%の価格がかなり変わることがあります。
たとえば、上昇波の押し目を見ている時に、
- 一番安いヒゲ先を起点にする
- 実体の安値を起点にする
- 直前の小さな押し安値を起点にする
- 上位足の大きな安値を起点にする
これを毎回変えると、候補帯が複数出てきます。
候補帯が増えると、どこで待つのかが曖昧になります。
そして、価格が思った場所で反応しなかった時に、別の起点へ引き直してしまいやすくなります。
この状態では、フィボナッチを使っているように見えて、実際には都合のいい線を探しているだけになりやすいです。
📍 起点は推進が始まった場所に置く
リトレイスメントの起点は、推進が始まった場所に置きます。
上昇波を測るなら、上方向への推進が始まった安値です。
下落波を測るなら、下方向への推進が始まった高値です。
ここで大事なのは、ただ一番端の価格を探すことではありません。
見るのは、そこから市場の方向が変わり、明確な推進が始まったかどうかです。
起点として見やすいのは、
- 直前の流れが止まった場所
- 高値安値の切り替わりが始まった場所
- その後に大きな推進へつながった場所
- 上位足でも節目として見える場所
- 何度も反応した水平帯の近く
です。
小さすぎる波の起点を使うと、候補帯が細かくなりすぎます。
逆に大きすぎる波の起点を使うと、候補帯が遠くなり、実戦で待てない位置になりやすいです。
自分が見る時間足に合った推進の起点を選びます。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🏁 終点は推進が終わった場所に置く
起点を決めたら、次は終点です。
上昇波なら、推進が止まった高値。
下落波なら、推進が止まった安値。
終点は、まだ伸びている途中で決めません。
推進中に何度も終点を動かすと、比率の位置もずっと変わり続けます。
終点として見やすいのは、
- 高値更新が止まった場所
- 安値更新が止まった場所
- 反対方向のローソク足が出た場所
- 下位足で切り替わりが見えた場所
- その後に押しや戻りが始まった場所
です。
終点は、後から見れば簡単に見えます。
でもリアルタイムでは、まだ伸びる途中なのか、いったん終わったのかを判断する必要があります。
だからこそ、終点確定の条件も先に決めておきます。
⏳ 確定前にフィボを動かしすぎない
フィボナッチを早く引きたくなる場面は多いです。
価格が伸びている途中で、
「ここが高値かもしれない」
「ここから押しが入るかもしれない」
「今のうちに61.8%を見ておきたい」
と考えることがあります。
観察として仮に引くのは問題ありません。
ただし、仮の終点で引いたフィボナッチを、そのまま売買判断の基準にしないようにします。
終点が確定する前のフィボは、あくまで仮置きです。
本採用するのは、推進がいったん止まり、押しや戻りが始まったことを確認してからです。
仮置きと本採用を分けるだけでも、判断のブレはかなり減ります。
測る時間足、推進の起点と終点、引き直しの扱いを固定して、後付けのフィボナッチを防ぎます。
📈 上昇波を測る時の基本
上昇波のリトレイスメントでは、安値から高値へ引きます。
目的は、上昇後の押しがどこまで入るかを見ることです。
流れは次のようになります。
- 上昇が始まった安値を起点にする
- 上昇が止まった高値を終点にする
- 高値からの押しを待つ
- 38.2%、50.0%、61.8%、78.6%付近の反応を見る
- 押し目買い候補として成立するか確認する
ここで注意したいのは、比率に到達した瞬間に買うわけではないことです。
リトレイスメントは、押し目の候補帯を見つける道具です。
実際に買うかどうかは、上位足の流れ、反応、損切り位置、第1目標までの距離と合わせて判断します。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
📉 下落波を測る時の基本
下落波のリトレイスメントでは、高値から安値へ引きます。
目的は、下落後の戻りがどこまで入るかを見ることです。
流れは次のようになります。
- 下落が始まった高値を起点にする
- 下落が止まった安値を終点にする
- 安値からの戻りを待つ
- 38.2%、50.0%、61.8%、78.6%付近の反応を見る
- 戻り売り候補として成立するか確認する
下落波でも、比率到達だけでは売りません。
戻り売りを考えるなら、戻りが止まる根拠、上位足の抵抗、反応の出方、損切りと目標を合わせて見ます。
フィボナッチは入口を決める道具ではなく、候補帯を整理する道具として使います。
🧩 途中の小波を混ぜない
起点と終点がブレる原因の一つは、途中の小波を混ぜることです。
大きな上昇波の中には、小さな押しや戻しが何度もあります。
そのたびに小さい波へフィボナッチを引くと、
- 大きな波の61.8%
- 小さな波の50.0%
- 直近の小波の78.6%
- 上位足の38.2%
のように、候補が増えすぎます。
候補が増えること自体が悪いわけではありません。
ただし、今見ている判断が、どの時間足のどの波を基準にしているのかを分ける必要があります。
基準波と補助波を混ぜないことが大事です。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🕒 時間足を先に固定する
起点を固定するには、時間足も先に決めます。
5分足の波を測るのか。
15分足の波を測るのか。
1時間足の波を測るのか。
ここが決まっていないと、都合のいい時間足へ移動しやすくなります。
たとえば、5分足の61.8%で反応しなかった時に、15分足へ切り替える。
15分足でも合わない時に、1時間足の起点へ変える。
これを繰り返すと、見送りだったはずの場面にも理由を作れてしまいます。
先に決めるのは、
- 主戦場にする時間足
- 上位足として見る時間足
- 実行に使う下位足
- どの時間足の波をフィボで測るか
です。
時間足の役割を固定すると、起点の選び方も安定します。
🌐 複数時間足は役割を分ける
複数時間足を見ること自体は大事です。
ただし、時間足ごとに役割を分けます。
たとえば、
- 4時間足で大きな流れと節目を見る
- 1時間足で測る波を決める
- 15分足で反応を確認する
- 5分足で細かい実行位置を見る
というように整理します。
この場合、フィボナッチの基準波は1時間足です。
15分足や5分足は、反応確認や執行の補助に使います。
上位足にも下位足にもフィボを引く場合は、どちらが主判断で、どちらが補助なのかを分けます。
全部を同じ重さで見ると、判断がまとまりにくくなります。
🔢 38.2%、50.0%、61.8%、78.6%の見方
リトレイスメントでよく使う比率は、38.2%、50.0%、61.8%、78.6%です。
ただし、この数字に優劣を決めつけすぎないようにします。
38.2%は浅い押しや戻り。
50.0%は中間。
61.8%は深めの押しや戻り。
78.6%はかなり深い位置。
ざっくり言えば、こういう整理です。
でも、どの比率が効くかは、相場の文脈で変わります。
強い上昇なら38.2%や50.0%で押しが浅く終わることがあります。
方向感が弱い時や、反転候補が深い時は61.8%や78.6%まで入ることもあります。
数字だけで判断せず、上位足、波の勢い、節目、反応を重ねます。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🧠 比率を見る前にシナリオを決める
フィボナッチを引いた後に大事なのは、先にシナリオを決めることです。
たとえば上昇波の押し目を見ているなら、
- 38.2%で浅く反応したら、強い押し目候補
- 50.0%まで入ったら、標準的な押し候補
- 61.8%まで入ったら、深い押しとして反応を厳しく見る
- 78.6%まで入ったら、上昇波の勢いが弱い可能性も見る
というように、事前に意味を分けます。
こうしておくと、価格が動いた後に理由を探しにくくなります。
戻り売りでも同じです。
どの比率で何を待つのか。
どこまで来たら見送るのか。
どの反応が出たら候補として残すのか。
これを先に決めます。
🚫 都合が悪くなってから引き直さない
リトレイスメントで一番やりがちな失敗は、都合が悪くなってから引き直すことです。
61.8%で反応しなかった。
少し下の起点へ変えたら78.6%で止まって見える。
さらに別の波で引くと、ちょうど50.0%に見える。
こうなると、どこでも理由を作れてしまいます。
引き直しを完全に禁止する必要はありません。
ただし、引き直すなら理由が必要です。
- 新しい高値や安値が明確に確定した
- 見ている時間足を変更した
- 基準波そのものを別の波として扱う
- 前のシナリオをいったん破棄した
このような理由がないまま引き直すと、検証できない判断になります。
引き直したら、前のシナリオとは別物として扱います。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🟢 押し目買いでの固定例
1時間足で上昇波を確認したとします。
安値から上昇が始まり、直近高値を上抜いて大きく伸びた。
その後、高値更新が止まり、押しが入り始めた。
この場合、
- 上昇が始まった安値を起点にする
- 高値更新が止まった高値を終点にする
- 1時間足の押しを待つ
- 50.0%から61.8%付近を候補帯として見る
- 15分足で下げ止まりや高値安値の切り替わりを見る
- 損切りを押し安値の外側へ置けるか確認する
- 第1目標までの距離を比較する
このように、測る波と確認する時間足を分けます。
途中で5分足の小さな波へ基準を変えないことが大事です。
小さい波は、あくまで反応確認や実行位置の調整に使います。
🔴 戻り売りでの固定例
今度は、1時間足で下落波を確認した場合です。
高値から下落が始まり、直近安値を下抜いて大きく伸びた。
その後、安値更新が止まり、戻りが入り始めた。
この場合、
- 下落が始まった高値を起点にする
- 安値更新が止まった安値を終点にする
- 1時間足の戻りを待つ
- 50.0%から61.8%付近を候補帯として見る
- 15分足で上げ止まりや高値安値の切り替わりを見る
- 損切りを戻り高値の外側へ置けるか確認する
- 第1目標までの距離を比較する
戻り売りでも、比率だけでは売りません。
候補帯へ戻ってきた後、上値が止まり、売り側へ切り替わる反応が必要です。
起点と終点を固定しておけば、候補帯の意味も検証しやすくなります。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
⚠️ 起点固定で失敗しやすい例
失敗しやすいのは、結果を見ながら起点を選ぶ形です。
価格が61.8%を抜けた。
でも、少し前の安値を起点にすると78.6%で止まって見える。
さらに上位足で見ると、別の50.0%にも重なっている。
このように、止まった場所に合わせて起点を探すと、後からはいくらでも説明できます。
しかし、リアルタイムでその起点を採用していなかったなら、検証対象としては別の判断です。
起点固定で大事なのは、当たったか外れたかではありません。
事前に決めた波で待ち、条件が崩れたら見送ることです。
見送りを判断に含めることで、フィボナッチの使い方が安定します。
📋 リトレイスメント起点固定チェック
フィボナッチを引く前に確認します。
- 主戦場にする時間足を決めたか
- 上位足、基準足、下位足の役割を分けたか
- 測る波の起点を先に決めたか
- 起点は推進が始まった場所か
- 終点は推進が止まった場所か
- 終点が確定する前の仮置きと本採用を分けたか
- 上昇波なら安値から高値へ引いているか
- 下落波なら高値から安値へ引いているか
- 38.2%、50.0%、61.8%、78.6%の候補帯を事前に整理したか
- 比率到達だけで仕掛けようとしていないか
- 反応確認に使う時間足を決めたか
- 損切り位置を先に置けるか
- 第1目標までの距離があるか
- 都合が悪くなってから起点を引き直していないか
- 引き直すなら前のシナリオを破棄できるか
すべてを完璧にする必要はありません。
ただ、起点、終点、時間足、引き直しの扱いだけは先に固定します。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
✅ まとめ
今回は、リトレイスメント起点を毎回同じにするルールを整理しました。
ポイントは次の通りです。
- 📐 比率より先に、どの波を測るかを決める
- 📍 起点は推進が始まった場所に置く
- 🏁 終点は推進が止まった場所に置く
- ⏳ 仮置きと本採用を分ける
- 📈 上昇波は安値から高値へ引く
- 📉 下落波は高値から安値へ引く
- 🧩 途中の小波を基準波に混ぜない
- 🕒 時間足の役割を先に固定する
- 🔢 比率は候補帯であって売買サインではない
- 🚫 都合が悪くなってから起点を引き直さない
フィボナッチの精度を上げようとすると、つい比率の使い分けに意識が向きます。
でも、起点と終点が毎回変わっている状態では、どの比率が効いたのか検証できません。
まずは、測る波を固定する。
次に、候補帯を確認する。
最後に、反応と管理条件を見る。
この順番で扱うと、リトレイスメントは後付けの線ではなく、判断を整理する道具になります。
この連載は、売買結果を保証するものではなく、チャート判断を整理するための教材です。実際の取引では、自分の損失上限とルールを優先してください。
🔜 次回予告
次回は、寄り付きから高値安値までの測り方を実戦化するをテーマにします。
👉 次回の記事はこちら:第38回:寄り付きから高値安値までの測り方を実戦化する
1日の始まりからどの高値安値を採用し、どの範囲を測ると判断が揃いやすいのか。
リトレイスメント起点を、日中の実戦チャートでどう固定するかを整理します。

