ひとり法人プランの仕訳500件は足りるか|取引の数から1年の仕訳数を見積もる

マネーフォワード クラウド会計の「ひとり法人プラン」には、1会計年度の仕訳数が500件までという上限があります(公式の料金ページ・確認日:2026年10月21日)。500件で足りるのか、足りなくなるのは、どんな取引の量なのか。これを、自分の取引から見積もる簡単な方法と、Pythonの計算コードをまとめました。例の数字は、説明のための架空の例です。

仕訳の数え方(簡易)

仕訳は、お金の動きを帳簿に記録する1行です。細かい数え方は、会計の方法によって違いますが、見積もりのために、次のように簡略化します(筆者の仮定)。

  • 売上:請求と入金を別に記録するなら、1件の売上で2仕訳(請求の計上と、入金)
  • 経費:カードや口座の明細1件で、1仕訳
  • 定例の取引:役員報酬・社会保険料・税金・家賃など、毎月決まって発生するものは、1つにつき1仕訳

架空の例で計算する

# 1会計年度の仕訳数の見積もり(ひとり法人プランの上限は500件)。1取引=1仕訳として数える簡易な見積もり
monthly = {"売上(請求+入金で2仕訳)": 4 * 2, "経費のカード・口座の明細": 30, "給与・社会保険・税金などの定例": 6}
per_year = sum(monthly.values()) * 12
print("1か月:", sum(monthly.values()), "件 / 1年:", per_year, "件 / 上限500件に対して", round(per_year / 500 * 100), "%")
fixed = 8 + 6                                 # 経費の明細以外の、毎月の仕訳数
print("経費の明細が月", round(500 / 12 - fixed, 1), "件以下なら、年500件に収まる")
for n in (20, 27, 30, 40, 60):
    total = (fixed + n) * 12
    print("経費の明細が月", n, "件 →", total, "件/年", "(上限を超える)" if total > 500 else "(上限内)")

結果(Python 3.13で実行)

経費の明細(月) 1年の仕訳数 500件に対して
20件 408件 上限内
27件 492件 上限内(ほぼ上限)
30件 528件 上限を超える
40件 648件 上限を超える
60件 888件 上限を超える

架空の例では、売上が月4件(8仕訳)、定例が6件のとき、経費の明細が月27.7件を超えると、500件を超えます。つまり、経費のカード明細が月に30件ある法人は、ひとり法人プランの上限を超える計算です。売上が増えるほど、経費の余裕は減ります。

仕訳が増えやすい取引(筆者の整理)

  • カードの少額の利用が多い:サブスクや交通費など、1件ずつの明細が多いと、経費の明細が膨らみます
  • 売上の件数が多い:請求と入金を分けて記録すると、1件で2仕訳になります
  • 仕入や外注が多い:支払いのたびに仕訳が増えます
  • 銀行口座・カードの連携:連携すると明細が自動で取り込まれ、仕訳の候補が増えます。経費の明細の件数は、連携する口座・カードの数でも変わります

自分の数字に置き換える手順

  1. 直近の1年(または、法人の見込み)のカード・口座の明細の件数を数える(家計簿アプリや、明細のCSVの行数で数えられます)
  2. 売上の件数と、毎月の定例の取引の数を数える
  3. 上のコードの数字を、自分の数字に変えて実行する
  4. 500件に対して8割(400件)を超えるなら、上のプランを検討する(余裕を持つため)

数字は、法人を作る前の見込みで見積もるため、実際より少なくなりがちです。余裕を見て考えると、途中でプランを変える手間を減らせます(この倍率は、筆者の経験則ではなく、見積もりの誤差を考えた目安です)。

上限を超えるとどうなるか

公式の料金ページには、1会計年度の仕訳数の上限が書かれています。上限を超えた時の扱い(追加の料金・登録ができなくなる・プラン変更が必要など)は、料金ページの本文では確認できませんでした。契約前に、公式のヘルプや問い合わせで確認してください。キャンペーンの条件にも、必要な仕訳件数(ひとり法人プランは15件以上)があります(マネーフォワード クラウド会計の料金|ひとり法人プラン)。

見積もりの結果が上限に近い場合は、まず、経費の明細のうち、まとめて記録できるもの(同じ取引先への少額の支払いなど)があるかを、会計ソフトの機能で確かめてください。

この記事で確かめていないこと

  • 仕訳の数え方の細部(1つの取引が、複数の仕訳になる場合など)
  • 上限を超えた時の扱い
  • 会計ソフトの自動仕訳が、1つの明細を何仕訳にするか

年払いと月払いの計算はMF会計の年払いとキャンペーンの実質にまとめています。

まとめ

  • ひとり法人プランの上限は、1会計年度の仕訳数500件。架空の例では、経費の明細が月27.7件を超えると、500件を超える
  • 売上・経費・定例の取引の数を数えて、自分の数字で見積もる。400件を超えたら、上のプランを検討する
  • 上限を超えた時の扱いは、契約前に確認する

本記事は見積もりの方法の説明で、例の数字は架空のものです。実際の仕訳数は、会計の方法で変わります。