EAの修正を頼む時に書く8項目|ログ・時刻・再現手順をそろえる
外注したEAが、思った通りに動かない時、「動きません」「エントリーしません」とだけ伝えると、出品者は原因を探せず、やり取りが何往復も続きます。修正を早く正確に頼むには、出品者が同じ現象を自分の環境で再現できるだけの情報を、最初の連絡でそろえて渡すのが近道です。この記事では、EAの不具合を伝える時に書く項目と、MT5のどこからその情報を集めるかを、コピーして使える文面の形でまとめます。
(確認:MT5のログ・ストラテジーテスター・時刻に関する本サイトの記事(いずれもMT5本体の文字列や公式ヘルプで確認したもの)にもとづいて構成しています。ココナラでの修正の扱いは、EA・インジケーターの制作を外注する時の依頼の書き方で確認した公式の説明によります。確認日:2026年10月21日)
まず確かめること:仕様の範囲の話か
ココナラの公式の説明では、納品確認は、発注時に合意していない過度な修正依頼や要求をできるものではない、とされています。修正を頼む前に、次のどちらかを分けます。
- 不具合:仕様書に書いた動きと違う(例:「RSIが30を下回ったら買う」と決めたのに、下回っても買わない)。修正を頼める
- 仕様の追加・変更:仕様書に書いていない動きを足したい(例:「やっぱり決済に時間の条件も入れたい」)。追加の作業として相談する
仕様書に書く項目はEA制作を頼む時の仕様書の項目にまとめています。仕様書があれば、どちらに当たるかを、仕様書の何番の項目かで示せます。
修正依頼に書く8つの項目
| 項目 | 書くこと | どこで調べるか |
|---|---|---|
| 1. 期待した動き | 仕様書の項目番号と、その条件で起きるはずだったこと | 仕様書 |
| 2. 実際の動き | 何が起きたか(起きなかったか)。エラーの文字はそのまま貼る | チャート・ツールボックス |
| 3. 起きた日時 | サーバー時刻か、日本時間かを明記する | チャートの横軸はサーバー時刻 |
| 4. 銘柄・時間足・口座 | 例:USDJPY・M5・デモ口座・業者名と口座の種類 | チャートの表示、口座の情報 |
| 5. EAの設定値 | パラメータ(インプット)の全項目。設定ファイル(.set)に保存できる場合は、それを渡すと早い | EAのプロパティ |
| 6. ログ | その時刻の「エキスパート」タブと「操作ログ」タブの行 | ツールボックス、またはログのファイル |
| 7. 再現の手順 | ストラテジーテスターで再現できたなら、期間・モデル・設定 | ストラテジーテスター |
| 8. 環境 | MT5のビルド、自宅PCかVPSか | MT5の画面で確認(ビルド番号) |
ログの集め方
MT5のログは2種類です。EAの Print の出力や、EAの発注・決済の記録は「エキスパート」タブ、接続やアップデートなどプラットフォームの動作は「操作ログ」タブに出ます。どちらも、ファイルとしても残ります。
- 「エキスパート」のログ:データフォルダの
MQL5\Logs\(ファイル名は日付) - 「操作ログ」:データフォルダの
logs\ - データフォルダは、MT5の「ファイル」→「データフォルダを開く」から開ける
ログのファイルは文字コードがUTF-16で書かれていて、テキストエディタや検索の道具で文字コードを指定しないと読めない場合があります(実機で確認した記事より)。必要な時刻の前後の行だけをコピーして貼るか、ファイルごと渡します。詳しくはMT5の「操作ログ」と「エキスパート」ログの違いとMQL5のPrintとログの保存場所にまとめています。
時刻のずれに注意する
チャートの横軸の時刻は、日本時間ではなく取引サーバーの時刻です。また、「操作ログ」の時間はパソコンのタイムゾーンで表示されます。「日本時間の22時にエントリーしなかった」と書くと、出品者がサーバー時刻の22時と読み違えることがあるので、どの時刻かを添えます(例:「サーバー時刻 16:00(日本時間 22:00)」)。時刻の違いはMT5の時刻がずれる理由にまとめています。
ストラテジーテスターで再現できるか試す
本番やデモで起きたことを、ストラテジーテスターで同じ期間・同じ設定で動かして、同じことが起きるかを試します。再現できれば、出品者も同じ手順で確かめられるので、修正が早くなります。モデル(「全ティック」「始値のみ」など)で結果が変わるため、どのモデルで試したかも書きます(MT5ストラテジーテスターのモデルの選び方)。再現できなかった場合も、「テスターでは再現しなかった」と書くこと自体が手がかりになります(業者のサーバーとのやり取りが原因の可能性など)。
コピーして使う文面
【修正のお願い】
1. 期待した動き:仕様書 3-2「RSI(14)が30を下回った足の次の足の始値で買い」
2. 実際の動き:2026/10/20 にRSIが30を下回ったが、買いの注文が出なかった。
「エキスパート」タブに次の行があった:(ここにログの行を貼る)
3. 起きた日時:サーバー時刻 2026/10/20 09:15(日本時間 15:15)
4. 銘柄・時間足・口座:USDJPY / M5 / デモ口座(業者名・口座の種類)
5. 設定値:添付の .set ファイルのとおり(変更していない)
6. ログ:MQL5\Logs\20261020.log の 09:10〜09:20 の行を添付
7. 再現:ストラテジーテスター「全ティック」、2026/10/20〜10/21、同じ設定で再現した/しなかった
8. 環境:MT5(ビルド番号)、Windows 11 のVPS
例の日時・数値は架空です。自分の状況に合わせて書き換えてください。
修正を受け取った後の確認
- 直った版のソースを受け取り、自分のPCでコンパイルする
- 修正依頼で書いた再現の手順で、現象が消えたかを確かめる
- 直した箇所以外の動きが変わっていないかを、前と同じテスターの設定で比べる
納品物の受け取り時の確認はEAの納品を受け取った時の確認に、ソースの権利の扱いは外注したEAのソースコードの著作権にまとめています。
この記事で確かめていないこと
- ココナラで取引が完了した後の修正の扱い(新しい依頼になるか、出品者と相談)
- 出品者ごとの修正の回数・期間の条件(サービスの説明で確認)
まとめ
- 修正依頼は、出品者が同じ現象を再現できる情報をそろえて、最初の連絡で渡す
- 期待した動き(仕様書の番号)・実際の動き・時刻(サーバー時刻か日本時間か)・銘柄と口座・設定値・ログ・再現の手順・環境の8つ
- ログは「エキスパート」と「操作ログ」の該当時刻の行。ストラテジーテスターで再現できるかも試す
本記事は修正の頼み方の整理です。EAの売買の成績や、特定の出品者のサービスを保証するものではありません。


