MT5のDEMAの使い方|EMAとの違いと遅れの減らし方

DEMA(2重指数移動平均)は、EMAの遅れを減らすために作られた移動平均です。MT5では「挿入」→「インディケータ」→「トレンド」→「Double Exponential Moving Average」から表示します。

EMAを2回かけて滑らかにするのではなく、1回かけたEMAから2回かけたEMAを引いて遅れ分を打ち消すという作りになっています。

この記事では計算式を公式ドキュメントで確認したうえで、EMAとの違い、使い分け、MQL5からの取得方法までを扱います。

(確認環境:MetaTrader 5 / Windows 11)

計算式は「EMA − EMAのEMA」

MetaTrader 5 の公式ヘルプには、次の式が記載されています。

DEMA(i) = 2* EMA(価格, N, i) - EMA2(価格, N, i)

出典:MetaTrader 5 ヘルプ「Double Exponential Moving Average」

EMA2 はEMAをもう一度EMAにかけたものです。2回かけたEMAは元のEMAよりさらに遅れるので、その差を足し戻すことで遅れを打ち消しています。

「2重」という名前から「2回平滑化して滑らかにした線」と誤解されやすいのですが、狙いはその逆で、遅れを減らすことです。

EMAとの違い

  EMA DEMA
直近の価格の扱い 重く扱う 重く扱う
遅れ SMAより小さい EMAよりさらに小さい
ダマシ SMAより増える EMAよりさらに増える
線の滑らかさ 比較的滑らか 価格に張り付きやすい

公式ヘルプでは「ジグザグな相場での誤ったシグナルを排除」「強いトレンドでのポジションを可能にする」と説明されています。ただし反応を速くすれば、その分だけ小さな動きにも反応します。速さと安定はここでも両立しません。

EMAそのものの設定はMT5でEMAを設定する方法にまとめています。

MT5で表示する手順

  1. メニューの「挿入」→「インディケータ」→「トレンド」→「Double Exponential Moving Average」を選ぶ
  2. 「期間」を入れる
  3. 「適用価格」を選ぶ(通常は Close price)
  4. 「OK」を押す

一覧ではDEMAという略称ではなく正式名称で並んでいます。「DEMA」で探すと見つからないので、Dの位置にある「Double Exponential Moving Average」を探してください。

移動平均と同じくチャート本体に重なって表示されます。公式ヘルプでもトレンド指標に分類されているため、オシレーターの一覧にはありません。

どう使い分けるか

DEMAはEMAの置き換えではなく、「遅れを問題だと感じた時の選択肢」です。

  • 転換への追随が遅いと感じる → DEMAを試す価値がある
  • 細かい上下に振り回されている → DEMAにすると悪化する

同じ期間でEMAとDEMAを2本並べて表示すると、どれくらい差が出るかをそのまま確認できます。数字で比べる前に、自分の見ている銘柄と時間足でどう違うかを目で確認する方が早いです。

MQL5から値を取る場合

int handle = iDEMA(_Symbol, _Period, 20, 0, PRICE_CLOSE);

double buf[];
if(CopyBuffer(handle, 0, 0, 100, buf) <= 0)
   return(0);

引数は銘柄・時間足・期間・シフト・適用価格の5つです。iMA と違い種別(ma_method)の引数はありません。DEMAは計算方法が決まっているためです。

バッファは1本だけなので番号は0を指定します(MQL5リファレンス iDEMA)。値が取れない場合の切り分けはMQL5でiCustom・CopyBufferの値が取れない原因にまとめています。

DEMAの限界

  • 遅れが減るだけで、先読みはできない — 過去の価格から計算される点はEMAと同じ
  • レンジでは不利 — 反応が速い分、上下に振られる回数が増える
  • 期間を短くすると価格そのものに近づく — 平均として見る意味が薄くなる

まとめ

  1. DEMAは 2×EMA − EMAのEMA。遅れを打ち消す作り
  2. 「2回平滑化して滑らかにする」指標ではない。狙いは遅れの削減
  3. 反応が速くなる分、ダマシは増える
  4. 一覧では「Double Exponential Moving Average」で探す
  5. MQL5では iDEMA。種別の引数は無く、バッファは1本

本記事は指標の計算方法と操作手順を説明したものであり、特定の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。テクニカル指標は相場の状態を可視化する道具であり、将来の値動きや取引の成果を保証するものではありません。