バタフライの全体手順|発見から決済までの流れをまとめる(第32回)
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🦋 第32回 バタフライを見つけてから決済するまでの全体手順
前回は、バタフライの失敗トレードをどう振り返るかを整理しました。
👉 前回の記事はこちら:第31回:バタフライの失敗トレードをどう振り返るか
損益だけで良し悪しを決めず、形と比率、反応、エントリー位置、管理、実行に分ける。
当時の事実を残し、主な原因を一つに絞り、次回の確認項目へ変えるという話でした。
今回は、バタフライ編の総仕上げです。
テーマは、バタフライを見つけてから決済するまでの全体手順です。
バタフライを学ぶ時は、
「Bはどの比率か」
「Dは127.2%か161.8%か」
「どこで入るか」
「どこで利益を確定するか」
を別々に覚えます。
しかし、実際のチャートでは全部が連続して起こります。
📌 結論から言うと、バタフライは、
候補発見→D候補の絞り込み→到達時の勢い確認→反応確認→エントリー→損切り→目標管理→記録
の順で扱います。
途中の比率だけを見て判断せず、次の工程へ進む条件をひとつずつ確認することが大切です。
🧭 この回の読みどころ
RETRACEMENT 戻し比率
EXTENSION 拡張比率
比率は反転を決める点ではなく、値動きの位置関係を整理する目安として確認します。
候補を見つけた後は、D候補を絞り、到達時の勢いと反応を確認し、損切りと目標を決めてから管理へ進みます。
🧭 最初に全体の順番を固定する
バタフライの判断は、次の順番で進めます。
- 上位足の位置と相場環境を見る
- X・A・B・Cを候補として切り分ける
- XAの外側へD候補を作る
- AB=CDやBC延長との重なりを確認する
- D候補へ向かう勢いを見る
- D候補で反応を待つ
- エントリー位置と損切りを決める
- 第1目標までの距離を確認する
- 建値移動と残り玉を管理する
- 決済後に画像と判断を記録する
この順番を飛ばすと、比率へ触れただけで入ったり、反応後を追いかけたりしやすくなります。
バタフライ完成を探すのではなく、各工程の条件が残っているかを確認して進みます。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🌐 手順1 上位足の位置と相場環境を見る
最初に見るのは、細かい比率ではありません。
現在の価格が、上位足のどこにあるかを確認します。
- 📍 過去の高値や安値に近いか
- 🧱 強く反応した水平帯に近いか
- 📈 上昇や下落が何度も続いた後か
- ⚡ 値幅を伴った強いトレンドの途中か
- 🕒 重要な時間帯や急変直後ではないか
バタフライはXの外側へD候補を作るため、値動きが伸びた場所を逆張りで見る形です。
だからこそ、強い流れの途中なのか、伸びた先の節目なのかを先に分けます。
上位足に目立つ節目がなく、一方向の更新が続いているなら、細かい足に形が見えても急いで候補にしません。
🧩 手順2 X・A・B・Cを切り分ける
次に、バタフライの土台となるX・A・B・Cを確認します。
買い側なら、XからAへの上昇に対してABが下がり、CからDへ再び下落する形です。
売り側なら、XからAへの下落に対してABが上がり、CからDへ再び上昇する形です。
ここで大切なのは、チャートへ無理に文字を当てはめないことです。
- XとAが基準波として区別できる
- BがXAに対する深い戻しとして見える
- CがAを明確に壊していない
- CDが独立した推進波として確認できる
- D候補がXの外側にできる
この土台が曖昧なら、まだバタフライ候補ではありません。
比率を測る前に、波の区切りを説明できるか確認します。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🔢 手順3 XAの外側へD候補を作る
構造を確認したら、XAを基準にD候補を作ります。
バタフライでは、XAの127.2%や161.8%付近を代表的な候補として見ます。
ただし、一本の価格へ決め打ちはしません。
127.2%は最初に意識されやすい候補。
161.8%は、さらに強く伸びた時の候補。
このように役割を分けて見ます。
D候補を作る時は、
- 🔢 XAの127.2%
- 🔢 XAの161.8%
- 🧩 AB=CDの完成候補
- 🧩 BCの延長候補
- 📍 過去の高値安値や水平帯
を重ねます。
近い場所へ複数の根拠が集まるほど、観察する範囲を絞りやすくなります。
🗺️ 手順4 D候補を「点」ではなく「帯」で整理する
実際の価格は、計算した比率で必ず止まるわけではありません。
そのため、D候補は点ではなく帯として整理します。
まず127.2%付近を観察する。
勢いが強く、反応がなければ無理に逆張りしない。
次に161.8%や他の根拠との重なりを見る。
候補帯が広すぎる場合は、損切り位置も曖昧になります。
その時は、
- 重なりが多い範囲へ絞る
- 下位足で高値安値を確認する
- 候補帯全体の外側を無効位置として決める
- 管理できない広さなら見送る
という整理をします。
D候補は、入る場所ではなく、観察を始める範囲です。
構造と比率、D候補での反応、損切りと第1目標の管理条件がそろってから、売買候補として扱います。
⚡ 手順5 D候補へ向かう勢いを見る
D候補へ近づいたら、到達前から値動きの勢いを見ます。
確認したいのは、
- ローソク足の実体が大きくなっているか
- 高値や安値の更新幅が広がっているか
- 押しや戻りをほとんど作らず進んでいるか
- 127.2%を抜けた後も速度が落ちていないか
- 161.8%へ向かう途中で減速しているか
です。
長いローソク足が連続し、更新幅も広がっているなら、D候補へ到達してもすぐには入りません。
逆に、更新幅が小さくなり、ヒゲや重なりが増えているなら、反応確認へ進む準備ができます。
比率の位置だけでなく、そこへ到達する過程を見ます。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
👀 手順6 D候補で反応を待つ
D候補へ入ったら、反転を予想する段階から、反応を確認する段階へ移ります。
買い側で確認したい反応は、
- 下ヒゲが出る
- 安値更新の幅が小さくなる
- 安値更新が止まる
- 下位足で押し安値を作る
- 直近高値を上抜く
です。
売り側なら反対に、
- 上ヒゲが出る
- 高値更新の幅が小さくなる
- 高値更新が止まる
- 下位足で戻り高値を作る
- 直近安値を下抜く
という変化を見ます。
一本のヒゲだけで決めず、ローソク足の確定や高値安値の切り替わりを組み合わせます。
反応がなければ、D候補へ到達していても見送ります。
📍 手順7 エントリー位置を決める
反応を確認した後は、どこから入るかを考えます。
主な候補は、
- 直近高値や安値の切り替わりを確認した位置
- 切り替わり後の最初の押しや戻り
- D候補帯への再確認後に反発した位置
です。
ここで注意したいのが、長いローソク足の後を追いかける形です。
反応確認の足が大きすぎると、
エントリーから損切りまでが遠い。
第1目標までの距離が短い。
少し戻しただけで不利になる。
という問題が出ます。
切り替わりを確認しても位置が悪ければ、押しや戻りを待つか、その候補を見送ります。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🧯 手順8 損切り位置と損失上限を決める
エントリー前に、損切り位置を決めます。
買い側なら、
- D候補の安値の外側
- 反応確認後にできた押し安値の外側
- 候補帯全体が崩れる位置
を確認します。
売り側なら、
- D候補の高値の外側
- 反応確認後にできた戻り高値の外側
- 候補帯全体が崩れる位置
を確認します。
損切りを近くするためだけに、まだ候補が残る帯の内側へ置かないようにします。
同時に、口座全体に対する損失上限から数量を調整します。
損切り幅が広すぎて数量や損失上限を管理できないなら、エントリーしません。
🎯 手順9 第1目標までの距離を確認する
エントリーと損切りが決まったら、第1目標までの距離を確認します。
バタフライの反応後は、
- CDの38.2%戻し
- CDの50.0%戻し
- C付近
- 直近の戻り高値や押し安値
- 上位足の水平帯
を目標候補として見ます。
最初から遠い目標だけを狙わず、価格が最初にぶつかりやすい場所を第1目標にします。
損切りは遠いのに、第1目標が近い。
目標の手前に強い節目がある。
すでに反応後の値動きが進みすぎている。
この場合は、方向が合っていても管理条件がよくありません。
注文前に、損切りまでの距離と第1目標までの距離を比較します。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
📦 手順10 第1目標後の残り玉を管理する
第1目標へ到達したら、すべてを同じ方法で管理する必要はありません。
考えられる選択は、
- 第1目標で全部を決済する
- 第1目標で一部を決済する
- 残りを建値付近へ移す
- 新しくできた高値安値の外側へ損切りを移す
- 61.8%戻し、C付近、B付近を次の目標として見る
です。
建値移動は、不安になったから行うものではありません。
第1目標へ到達した。
下位足で新しい節目を作った。
次の目標まで余地がある。
この条件を確認して位置を決めます。
残り玉の出口を事前に決めておくと、含み益が増減した時の迷いを減らせます。
🚫 途中で手順を止める条件
全体手順は、最後まで必ず進むものではありません。
途中で条件が崩れたら、その場で止めます。
- 🚫 X・A・B・Cの波を説明できない
- 🚫 D候補がXの外側に作れない
- 🚫 比率や節目の重なりが少ない
- 🚫 D候補へ向かう勢いが強いまま
- 🚫 D候補で反応が出ない
- 🚫 下位足の高値安値が切り替わらない
- 🚫 反応後を追いかける位置になる
- 🚫 損切り位置が決められない
- 🚫 第1目標まで十分な距離がない
- 🚫 損失上限を守れない
見送りは、手順に失敗した状態ではありません。
止める条件を守れたということです。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🟢 買い側バタフライの全体例
買い側の流れを一つにまとめます。
上位足の過去安値付近で、XからAへの上昇と深いABの戻しを確認しました。
Cから下落するCDがXを下抜き、XAの127.2%付近へ進んでいます。
127.2%付近にはAB=CD完成候補と過去の水平帯が重なっています。
ただし、到達時の下落が強いため、すぐには買いません。
その後、
- 安値更新幅が小さくなる
- 下ヒゲが出る
- 下位足の直近高値を上抜く
- 最初の押しで安値を切り上げる
という変化を確認しました。
押しの後から買いを検討し、損切りはD候補の安値の外側に置きます。
第1目標はCDの38.2%戻しと直近戻り高値を比較して近い側に設定します。
第1目標で一部を決済し、新しくできた押し安値の外側へ残りの損切りを移します。
このように、比率到達からではなく、反応と管理条件がそろった場所から取引を組み立てます。
🔴 売り側バタフライの全体例
売り側では、買い側と反対の流れを見ます。
上位足の過去高値付近で、XからAへの下落と深いABの戻しを確認しました。
Cから上昇するCDがXを上抜き、XAの161.8%付近へ進んでいます。
161.8%付近にはBC延長候補と水平帯が重なっています。
到達後、
- 高値更新幅が小さくなる
- 上ヒゲが増える
- 下位足の直近安値を下抜く
- 戻りで高値を切り下げる
という反応を確認しました。
戻りの後から売りを検討し、損切りはD候補の高値の外側に置きます。
第1目標はCDの38.2%戻しや直近押し安値から選びます。
切り替わりの足が大きく、戻りを待てずに価格が進んだ場合は追いかけません。
形が完成しても、管理できる位置を失ったなら見送ります。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
📋 エントリー前の最終チェック
注文を出す前に、次の項目を確認します。
- 上位足の位置と相場環境を確認したか
- X・A・B・Cを無理なく説明できるか
- D候補がXの外側にあるか
- XAの127.2%または161.8%を確認したか
- AB=CD、BC延長、水平帯の重なりがあるか
- D候補を点ではなく帯で整理したか
- 到達時の勢いが弱まっているか
- D候補でヒゲや更新幅の縮小を確認したか
- 下位足の高値安値が切り替わったか
- 長いローソク足の後を追いかけていないか
- 損切りを根拠の外側へ置けるか
- 損失上限に合わせて数量を調整できるか
- 第1目標まで十分な距離があるか
- 目標手前の節目を確認したか
- 第1目標後の管理方法を決めたか
ひとつでも大きな問題があるなら、注文を急ぎません。
候補を見つけることより、管理できる条件がそろっていることを優先します。
📝 決済後に全体手順を記録する
決済したら、結果だけで終わらせません。
最低限、次の内容を残します。
- 📷 D候補到達前、エントリー時、決済時の画像
- 🧩 X・A・B・C・Dの位置
- 🔢 使用した比率と重なり
- 👀 確認した反応
- 📍 エントリー理由
- 🧯 損切り位置と損失上限
- 🎯 第1目標と残り玉の管理
- ⚖️ 手順どおりだった点
- 🔧 次回に修正する点
勝った取引でも、ルール違反があれば記録します。
負けた取引でも、手順を守れていたなら許容できる損失として記録します。
記録まで含めて一つのトレードです。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
✅ まとめ
今回は、バタフライを見つけてから決済するまでの全体手順を整理しました。
ポイントは次の通りです。
- 🌐 最初に上位足の位置と相場環境を見る
- 🧩 比率の前にX・A・B・Cを切り分ける
- 🔢 XAの127.2%や161.8%をD候補として見る
- 🗺️ AB=CD、BC延長、水平帯を重ねて候補帯を作る
- ⚡ D候補へ向かう勢いを確認する
- 👀 到達だけで入らず、反応と高値安値の切り替わりを待つ
- 📍 反応後を追いかけず、管理できる位置を選ぶ
- 🧯 損切りを根拠の外側へ置き、損失上限を守る
- 🎯 第1目標までの距離を注文前に比較する
- 📦 第1目標後の建値移動と残り玉を事前に決める
- 🚫 条件が崩れた工程で手順を止める
- 📝 決済後の記録までを一つの流れにする
バタフライは、D候補へ到達した瞬間だけを取引する方法ではありません。
候補を探す。
根拠を重ねる。
勢いと反応を待つ。
損切りと目標を決める。
条件が悪ければ見送る。
決済後に記録する。
この一連の順番を毎回そろえることで、比率だけに頼った早い逆張りを減らしやすくなります。
この連載は、売買結果を保証するものではなく、判断を整理するための教材です。実際の取引では、自分の損失上限とルールを優先してください。
🔜 次回予告
次回からは、三段上げ・三段下げを扱います。
👉 次回の記事はこちら:第33回:三段上げ・三段下げが示す相場の状態
まずは、三回動いたように見える形を数えるのではなく、三段の推進が相場のどのような状態を示すのかを整理します。
フィボナッチと組み合わせる前に、三段上げ・三段下げを判断するための土台から確認していきます。

