三段上げ・三段下げとは|相場の何を示しているのか(第33回)
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📶 第33回 三段上げ・三段下げが示す相場の状態
前回は、バタフライを見つけてから決済するまでの全体手順を整理しました。
👉 前回の記事はこちら:第32回:バタフライを見つけてから決済するまでの全体手順
上位足の位置を確認する。
X・A・B・Cを切り分ける。
D候補を絞り、勢いと反応を待つ。
損切りと目標を決め、決済後に記録する。
バタフライを一つの比率ではなく、連続した判断工程として扱うという話でした。
今回からは、新しいテーマへ進みます。
扱うのは、三段上げ・三段下げです。
チャートを見ていると、
「三回上がったから、そろそろ下がる」
「三回下がったから、次は反発する」
と考えたくなることがあります。
しかし、ローソク足を三本数えるだけでは、三段上げ・三段下げにはなりません。
📌 結論から言うと、三段上げ・三段下げは、
押しや戻しを挟みながら、同じ方向への推進が三回進んだ状態
として見ます。
三段目は反転を保証する場所ではありません。
トレンドがどこまで進み、推進力や更新の仕方がどう変化しているかを観察するための型です。
🧭 この回の読みどころ
三段はローソク足の本数ではなく、押しや戻りを挟んだ三回の推進として数えます。
🧭 三段上げ・三段下げは何を見るための型か
三段上げ・三段下げで見るのは、単純な回数ではありません。
一方向へ進む相場が、
- 最初の推進を作る
- 押しや戻しを挟んで再び進む
- もう一度調整を挟み、三回目の推進を作る
という過程です。
この過程を見ると、
- 📈 トレンドがどこまで進んでいるか
- ⚡ 推進の勢いが強くなっているか、弱くなっているか
- 📏 高値や安値の更新幅が変化しているか
- 🧱 三段目が上位足の節目へ近づいているか
- 👀 反対方向への切り替わりを観察する段階か
を整理しやすくなります。
「三回動いたから逆張りする」のではなく、三回の推進を通して相場の状態を読みます。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🔢 三段は「三本」ではなく「三回の推進」
最初に区別したいのが、ローソク足の本数と推進の回数です。
陽線が三本続いた。
陰線が三本続いた。
これだけでは、三段上げ・三段下げとは限りません。
一つの推進の中に、同じ方向のローソク足が何本も並ぶことがあります。
反対に、一回の推進が一本の長いローソク足で終わることもあります。
三段として数えるには、
- 同じ方向へ進む推進がある
- 推進の間に押しや戻しがある
- 調整後に前の高値や安値を更新する
- 三つの推進を別々の波として説明できる
ことが必要です。
ローソク足ではなく、推進と調整のまとまりを数えます。
🧩 三段上げの基本構造
三段上げは、上方向への推進が三回続く構造です。
基本的な流れは、
- 上昇して最初の高値を作る
- 押しを挟み、二回目の上昇で高値を更新する
- もう一度押しを挟み、三回目の上昇で高値を更新する
となります。
重要なのは、二つの押しがあることです。
押しがないまま上昇し続けている場合は、三段ではなく一つの強い推進として見るほうが自然です。
三段上げでは、
- 1段目の上昇幅
- 1段目後の押し
- 2段目の高値更新幅
- 2段目後の押し
- 3段目の高値更新幅
を分けて確認します。
高値を三つ見つけるだけでなく、その間の押しが構造として成立しているかを見ます。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🧩 三段下げの基本構造
三段下げは、下方向への推進が三回続く構造です。
基本的な流れは、
- 下落して最初の安値を作る
- 戻りを挟み、二回目の下落で安値を更新する
- もう一度戻りを挟み、三回目の下落で安値を更新する
となります。
三段下げでも、二つの戻りが必要です。
陰線が連続しているだけなら、一つの下落推進かもしれません。
確認するのは、
- 1段目の下落幅
- 1段目後の戻り
- 2段目の安値更新幅
- 2段目後の戻り
- 3段目の安値更新幅
です。
上げ下げを反対にしただけで、考え方は三段上げと同じです。
1️⃣ 1段目は新しい方向が始まる動き
1段目は、それまでの値動きから新しい方向へ進み始める推進です。
この段階では、まだ三段になるかはわかりません。
単発の上昇や下落で終わることもあります。
見るべきなのは、
- 直前の高値や安値を抜いたか
- ローソク足の実体や更新幅が広がったか
- 上位足の流れと同じ方向か
- 動きの起点が明確か
です。
1段目は、三段構造の始点候補です。
後から2段目、3段目ができた時に、どの動きを1段目として数えるか見直すこともあります。
三回の推進、間にある押しや戻り、段を追うごとの更新幅と時間変化を分けて確認します。
2️⃣ 2段目は継続を確認する動き
1段目の後に押しや戻しが入り、その後に同じ方向へ再び進むと2段目になります。
2段目で前の高値や安値を更新できると、一方向への継続が確認しやすくなります。
この時に見るのは、
- 調整が1段目の起点を壊していないか
- 2段目が前の高値や安値を更新したか
- 1段目と比べて推進幅が広いか狭いか
- 調整にかかった時間が長くなっていないか
です。
2段目が強く伸びる場合、トレンドがまだ勢いを保っている可能性があります。
反対に、更新幅が小さくなり始めた場合は、推進力の変化を観察します。
ただし、2段目だけで天底を予想する必要はありません。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
3️⃣ 3段目は終盤候補を観察する動き
2段目の後にもう一度調整が入り、同じ方向へ進むと3段目候補になります。
3段目では、相場がかなり進んでいる可能性があります。
そのため、
- 3段目の更新幅が小さくなっている
- 長いヒゲが増えている
- 推進にかかる時間が長くなっている
- 上位足の高値安値や水平帯へ到達している
- 反対方向のローソク足が目立ち始めている
といった変化を見ます。
ただし、3段目だから必ず反転するわけではありません。
勢いが強ければ、さらに高値や安値を更新することもあります。
3段目は「逆張りする場所」ではなく、終盤の可能性を強めて観察する段階です。
↩️ 押しと戻りが段数を分ける
三段を正しく数えるためには、押しと戻りの確認が欠かせません。
三段上げなら、上昇と上昇の間に下方向の調整があります。
三段下げなら、下落と下落の間に上方向の調整があります。
調整が小さすぎると、別の段として数えるべきか迷います。
その時は、
- 直近の小さな高値や安値を反対方向へ抜いたか
- 数本以上のまとまりとして調整が見えるか
- 推進の角度や速度が一度変化したか
- 下位足で一つの調整波として分けられるか
を確認します。
小さな横ばいをすべて押しや戻りとして数えると、段数が増えすぎます。
一度流れが緩み、次の推進が始まったと説明できる調整を使います。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
📏 三つの推進幅は同じでなくてもよい
三段上げ・三段下げは、三つの推進幅が完全に同じである必要はありません。
1段目が短く、2段目が大きく伸びることもあります。
3段目が最も長くなることもあります。
大切なのは、幅をそろえることではなく、変化を比較することです。
- 1段目より2段目が大きくなった
- 2段目より3段目の更新幅が小さくなった
- 推進幅は同じでも、時間が長くなった
- 値幅は伸びたが、ヒゲが増えた
こうした違いから、勢いが維持されているか、弱まり始めているかを見ます。
三つの波を同じ形へ合わせる必要はありません。
⚡ 更新幅と時間の変化を見る
三段構造では、各段の値幅だけでなく、更新幅と時間も確認します。
三段上げなら、前の高値をどれだけ上抜いたか。
三段下げなら、前の安値をどれだけ下抜いたか。
この更新幅が、
- 段を追うごとに広がる
- ほぼ同じ幅で続く
- 段を追うごとに狭くなる
のかを比較します。
同時に、推進へかかった時間も見ます。
短時間で大きく更新しているなら勢いが強い。
長い時間をかけても少ししか更新できないなら、勢いが弱まっている可能性があります。
値幅と時間をセットで見ると、同じ三段でも状態の違いを整理しやすくなります。
🧱 三段目の位置が重要になる
三段目がどこにあるかで、意味は変わります。
上位足の目立つ節目から離れた場所で三段目を作っているなら、まだ継続する余地があるかもしれません。
反対に、
- 上位足の過去高値や過去安値
- 強く反応した水平帯
- 大きな波の到達候補
- 日足や4時間足で意識される価格帯
へ三段目が到達しているなら、終盤候補として観察する理由が増えます。
三段という回数だけでなく、どの位置で三段目が完成しようとしているかを確認します。
位置の根拠がない三段目より、上位足の節目と重なる三段目のほうが、反応を観察しやすくなります。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🚫 三段目だけで逆張りしない
三段上げを見つけたら売る。
三段下げを見つけたら買う。
このように機械的に扱うと、強いトレンドの途中で逆張りしやすくなります。
3段目の後に必要なのは、反対方向への変化です。
三段上げの後なら、
- 高値更新が止まる
- 上ヒゲや包み足が出る
- 押し安値を下抜く
- 戻りで高値を切り下げる
三段下げの後なら、
- 安値更新が止まる
- 下ヒゲや包み足が出る
- 戻り高値を上抜く
- 押しで安値を切り上げる
といった反応を待ちます。
三段は観察を始める理由であり、エントリーの確定条件ではありません。
🔍 三段に見えても数えない形
チャート上に山や谷が三つあっても、三段として数えにくい形があります。
- 🚫 推進方向が途中で何度も入れ替わっている
- 🚫 押しや戻りが深く、1段目の起点を壊している
- 🚫 同じ推進の中の小さな横ばいを別の段にしている
- 🚫 高値や安値をほとんど更新していない
- 🚫 時間足を変えるたびに段数が変わる
- 🚫 数を合わせるために起点を後から動かしている
こうした形は、三段の推進として整理するより、レンジや別の波構造として見るほうが自然な場合があります。
数えにくい時は、無理に三段へ当てはめません。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
⏱️ 見る時間足を先に固定する
同じチャートでも、時間足を変えると段数は変わります。
1時間足では一つの推進に見えても、5分足では三段以上に分かれることがあります。
そのため、数え始める前に観察する時間足を決めます。
- 上位足で相場の位置を確認する
- 判断に使う時間足で三段を数える
- 下位足は反応確認に使う
という役割分担が考えられます。
途中で都合よく時間足を変えて段数を合わせると、判断がぶれます。
どの時間足の三段を扱っているかを、記録にも残します。
🟢 三段上げを観察する例
上昇の1段目が始まり、最初の高値を作ったとします。
押しを挟んだ後、2段目で高値を大きく更新しました。
さらに押しを挟み、3段目で再び高値を更新しています。
ここで、
- 3段目の更新幅が2段目より小さい
- 上ヒゲが増えている
- 上位足の過去高値へ到達している
- 推進にかかる時間が長くなっている
なら、上昇終盤の可能性を観察します。
ただし、すぐに売るのではありません。
押し安値の下抜けや、戻りでの高値切り下げを待ちます。
変化が出なければ、上昇継続として見送ります。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
🔴 三段下げを観察する例
下落の1段目が始まり、最初の安値を作ったとします。
戻りを挟んだ後、2段目で安値を大きく更新しました。
さらに戻りを挟み、3段目で再び安値を更新しています。
ここで、
- 3段目の更新幅が2段目より小さい
- 下ヒゲが増えている
- 上位足の過去安値へ到達している
- 下落にかかる時間が長くなっている
なら、下落終盤の可能性を観察します。
それでも、三段下げだけを理由に買いません。
戻り高値の上抜けや、押しでの安値切り上げを待ちます。
反応がなければ、下落の勢いが残っていると考えます。
📋 三段上げ・三段下げの観察チェック
最後に、基本の確認項目をまとめます。
- 観察する時間足を固定したか
- ローソク足ではなく推進を数えているか
- 1段目の起点を説明できるか
- 各推進の間に押しや戻りがあるか
- 2段目が前の高値や安値を更新したか
- 3段目が前の高値や安値を更新したか
- 各段の推進幅を比較したか
- 高値や安値の更新幅を比較したか
- 各推進にかかった時間を比較したか
- 三段目が上位足の節目に近いか
- 三段目でヒゲや減速が見えるか
- 反対方向への高値安値の切り替わりを待ったか
- 三段だけを理由に逆張りしようとしていないか
- 数えにくい形を無理に三段へ合わせていないか
三段目を見つけることが目的ではありません。
推進の進み方と変化を、同じ順番で確認することが目的です。
この節で確認する論点を、本文の流れに沿って3つに分けて整理します。
✅ まとめ
今回は、三段上げ・三段下げが示す相場の状態を整理しました。
ポイントは次の通りです。
- 🔢 三段はローソク足三本ではなく、三回の推進
- ↩️ 推進の間に押しや戻りが必要
- 1️⃣ 1段目は新しい方向の始点候補
- 2️⃣ 2段目は継続を確認する動き
- 3️⃣ 3段目は終盤の可能性を観察する動き
- 📏 三つの推進幅は同じでなくてもよい
- ⚡ 値幅、更新幅、時間の変化を比較する
- 🧱 三段目が上位足のどこにあるかを見る
- 🚫 三段目だけで逆張りしない
- ⏱️ 数える時間足を先に固定する
- 👀 反対方向への高値安値の切り替わりを待つ
三段上げ・三段下げは、天底を自動的に知らせる合図ではありません。
推進を三つに分ける。
間の押しや戻りを確認する。
各段の値幅と時間を比較する。
三段目の位置と反応を見る。
この順番で整理すると、「三回動いたから反転する」という早い判断を減らしやすくなります。
この連載は、売買結果を保証するものではなく、チャート判断を整理するための教材です。実際の取引では、自分の損失上限とルールを優先してください。
🔜 次回予告
次回は、三回の推進を数える時のズレを減らす方法をテーマにします。
👉 次回の記事はこちら:第34回:三回の推進を数える時のズレを減らす方法
どこを1段目の起点にするのか。
どの押しや戻りを段の区切りにするのか。
時間足を変えた時に、なぜ段数が変わってしまうのか。
三段上げ・三段下げを実際のチャートで数えるためのルールを整理します。

