アフィリエイト収入は雑所得か事業所得か|国税庁の説明と区分で変わること
ブログのアフィリエイト収入や、自作のツール・EAの販売収入は、税金の上では「雑所得」と「事業所得」のどちらになるのか。区分によって、損失の扱いや青色申告ができるかが変わります。この記事では、国税庁のタックスアンサーの記述を並べて、区分ごとの違いを整理します。
(確認:国税庁 No.1500「雑所得」、No.1350「事業所得の課税のしくみ」、No.2070「青色申告制度」。確認日:2026年10月17日。どちらの区分に当たるかは、個別の事情で判断されます。この記事は判断の基準を示すものではなく、国税庁の説明の要点をまとめたものです。FXの利益の扱いは扱いません)
国税庁の説明(要点)
| 雑所得(No.1500) | 事業所得(No.1350) | |
|---|---|---|
| 定義 | 他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得。例として、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など) | 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人の、その事業から生ずる所得 |
| 計算 | 業務に係るもの:総収入金額−必要経費 | 総収入金額−必要経費 |
| 損失が出た時 | 他の所得と損益通算できない | 損益通算の規定がある(No.2070は、損益通算しても控除しきれない純損失の繰越しを説明) |
| 青色申告 | 対象外(青色申告ができるのは不動産所得・事業所得・山林所得のある人:No.2070) | できる(届出など一定の要件) |
「業務に係る雑所得」とは
No.1500によると、雑所得のうち「業務に係るもの」は、副業に係る収入のうち営利を目的とした継続的なものをいいます。継続してブログを運営し、アフィリエイトの報酬を得ている場合は、この説明に当てはまるかを考えることになります。
業務に係る雑所得には、次の決まりもあります(No.1500)。
- 前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える人は、請求書・領収書などの現金預金取引等関係書類を保存する
- 前々年分の収入金額が1,000万円を超える人は、確定申告書に収支内訳書などを添付する
- 前々年分の収入金額が300万円以下の人は、その年に入金した金額・支払った金額で計算できる「現金主義の特例」を使える(申告書に記載が必要)
区分で何が変わるか:計算例
説明のための仮の数字です(筆者の計算)。会社員が、副業で次の結果になった場合を考えます。
| 収入 | 必要経費 | 所得 | |
|---|---|---|---|
| ブログ(初年度) | 5万円 | 25万円(PC・サーバー・テーマなど) | −20万円 |
- 雑所得の場合:No.1500の注意事項のとおり、この20万円の損失は、給与所得など他の所得と損益通算できません
- 事業所得の場合:損益通算の規定の対象になります。ただし、事業所得に当たるかどうかは、個別の事情で判断されます
「赤字を給与と相殺したいから事業所得にする」という考え方では決められない、ということです。実態として事業と言えるかが問われます。迷う場合は、税務署や税理士に相談してください。
どちらの場合も共通すること
- 所得=収入−必要経費で計算する。経費にできるのは、収入を得るために直接必要な費用など(副業の経費と按分の考え方)
- 会社員は、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要(No.1900。副業の確定申告の流れ)
- 収入と経費の記録、請求書・領収書の保存をしておく
この記事で扱っていないこと
- 事業所得と雑所得を分ける具体的な基準(国税庁の通達など)。この記事では、タックスアンサーに書かれた範囲だけを扱いました
- FXの利益(先物取引に係る雑所得等の申告分離課税は、No.1500が別のコード1522を案内しています)
- 住民税と、消費税(インボイス)の扱い
判断に迷った時に整理しておく情報
税務署や税理士に相談する時は、次のことをまとめておくと、話が早く進みます(筆者の考え)。
- 副業を始めた時期と、続けている期間
- 年ごとの収入と経費の合計(できれば月ごと)
- 使っている時間(週に何時間くらいか)
- 帳簿をつけているか、請求書・領収書を保存しているか
- 収入の内訳(アフィリエイト、ツールの販売、広告収入など)
国税庁No.1500の「前々年分の収入金額が300万円」という基準は、書類の保存や現金主義の特例にかかわるもので、雑所得か事業所得かを分ける基準として書かれているものではありません。混同しないよう注意してください。
区分と、申告が必要かどうかは別の話
会社員が確定申告をしなければならない目安(給与以外の所得が20万円を超える:No.1900)は、「各種の所得金額(給与所得・退職所得を除く)の合計」で判断すると書かれています。雑所得でも事業所得でも、給与以外の所得として合計される点は同じです。区分を決めることと、申告が必要かどうかを確かめることは、分けて考えます(副業の確定申告の流れ)。
まとめ
- No.1500は、副業に係る所得を雑所得の例に挙げ、営利を目的とした継続的なものを「業務に係る雑所得」としている
- 雑所得の損失は、他の所得と損益通算できない。青色申告は、事業所得などがある人が対象
- どちらに当たるかは個別の事情で判断される。迷ったら税務署・税理士に確認する
本記事は国税庁の公開資料にもとづく一般的な情報であり、税務の助言ではありません。


