副業の経費と按分の考え方|PCの電気代を実際の数字で計算する

副業でブログやEAの販売をしていると、「PCやVPSの代金、電気代は経費にできるのか」が気になります。国税庁のタックスアンサーは、経費にできるものの考え方と、仕事と私用の両方に使う費用(家事関連費)の扱いを説明しています。この記事では、その記述を整理し、電気代の按分を実際の数字で計算する例を示します。

(確認:国税庁 No.2210「必要経費の知識」、No.2100「減価償却のあらまし」、No.1350「事業所得の課税のしくみ」。確認日:2026年10月17日。按分の割合の決め方は、筆者の考え方の例で、国税庁が示した方法ではありません。個別の判断は税務署・税理士に確認してください)

経費にできる金額(No.2210)

事業所得・不動産所得・雑所得の計算で必要経費にできるのは、次の金額です。

  1. 総収入金額に対応する売上原価その他、その総収入金額を得るために直接要した費用
  2. その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用

経費に入れる時期は、その年に債務が確定した金額です。12月31日までに債務が成立し、給付の原因となる事実が発生し、金額が合理的に計算できること、の3つを満たす場合とされています。

仕事と私用の両方に使う費用(家事関連費)

No.2210によると、家事上の費用は必要経費になりません。ただし、1つの支出が家事上と業務上の両方にかかわる費用(家事関連費)のうち、取引の記録などに基づいて、業務の遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合の、その区分できる金額は必要経費になります。

つまり、「なぜその割合なのか」を記録で説明できることが大事です。

計算例:MT5を動かすPCの電気代

説明のための例です。自宅のPCを、EAの運用とブログの作業に使っているとします。PCの消費電力が平均50W、24時間動かす場合、電気代は目安単価31円/kWhで月約1,116円です(計算の式は自宅PCでMT5を24時間動かす電気代)。

手順 例
1. PCの電気代を求める 50W×24時間×30日=36kWh → ×31円 = 約1,116円/月
2. 業務に使う割合を記録から決める 例:1日24時間のうち、業務用のソフトが動いている時間の記録をもとにする
3. 経費にする額 割合が仮に80%なら、1,116円×0.8=約893円/月

家全体の電気代のうち、PCの分を取り出すのが第一歩です。家全体の電気代に割合を掛けるより、PCの消費電力から計算したほうが、根拠を説明しやすいと筆者は考えます。割合80%は仮の数字です。

PCやソフトなど、高い買い物の扱い(No.2100)

  • 業務に使う機械や器具備品は、時間とともに価値が減るため減価償却資産になり、取得した金額は、使える期間にわたって分けて経費にする
  • 使用可能期間が1年未満のもの、または取得価額が10万円未満のものは、業務に使い始めた年に全額を経費にする
  • 10万円以上20万円未満のものは、一定の要件の下で、3年間で3分の1ずつ経費にできる
  • 青色申告者には、一定の要件の下で、取得価額が一定額未満の資産をまとめて経費にできる特例がある(金額と期間はNo.2100で確認)
  • 取得価額に消費税を含めるかは、経理の方式(税込・税抜)による

業務と私用の両方に使うPCは、取得価額に業務の割合を掛けて考えることになります(筆者の理解)。

副業でよく出る費用の整理(筆者の考え)

費用 考え方
VPS・レンタルサーバー・ドメイン 業務専用なら全額を検討。私用のサイトと同じ契約なら按分
PC本体 10万円未満か以上かで扱いが変わる(No.2100)。私用と兼用なら按分
電気代・インターネット回線 家事関連費。記録で区分できる部分
書籍・有料ツール 業務に直接必要な理由を説明できるもの
所得税・住民税 必要経費にならない(No.2210)

確定申告が必要かどうかは、収入から経費を引いた所得で決まります(副業の確定申告の流れ)。所得の区分はアフィリエイト収入の所得区分にあります。

記録の付け方の例(筆者の考え)

  • 按分する費用ごとに、割合の根拠(使用時間の記録、消費電力からの計算)を1枚のメモにまとめる
  • 割合を決めたら、年の途中で使い方が変わった時だけ見直す
  • 請求書・領収書と、按分の計算メモを、同じフォルダに年ごとに保存する

経費にならないものの例(No.2210)

  • 生計を一にする配偶者その他の親族に支払う地代家賃(受け取った人も所得とは考えない)
  • 生計を一にする配偶者その他の親族に支払う給与賃金(青色事業専従者給与は除く)
  • 所得税や住民税
  • 罰金、科料、過料など

家族に「PCの使用料」や「部屋代」を払っても、生計を一にしている場合は経費にならない、ということです。

まとめ

  • 経費にできるのは、収入を得るために直接要した費用と、業務上の費用(No.2210)
  • 仕事と私用の両方にかかわる費用は、業務に直接必要だったと記録で明らかに区分できる部分だけ
  • 電気代は、家全体ではなくPCの消費電力から計算し、業務の割合を記録で決めると説明しやすい
  • 10万円以上のPCなどは減価償却(No.2100)

本記事は国税庁の公開資料にもとづく一般的な情報であり、税務の助言ではありません。