ドメインの期限が切れた後の日数|.comはICANN、.jpはJPRSの決まりで数える

独自ドメインの更新を忘れると、サイトもメールも止まります。ただ、期限の翌日にすぐ他人のものになるわけではなく、期限の後にも、取り戻せる期間が決まっています。その日数は、.comや.netのようなドメイン(gTLD)と、.jpとで、決めている団体が違います。この記事では、ICANNの規定とJPRSの説明をもとに、期限の前後に何が起きるかを、日付で並べます。

(確認:ICANN「Expired Registration Recovery Policy」、JPRS「JPドメイン名のライフサイクル」、お名前.com「ドメイン更新とは」のページ。確認日:2026年10月22日。ICANNの規定は英語の原文を筆者が訳しています。筆者がドメインを失効させて確かめたものではありません)

gTLD(.com・.netなど):ICANNの決まり

時期 規定の内容(要約)
期限の前 登録事業者は、期限の通知を少なくとも2回送る。1回は約1か月前、1回は約1週間前
期限の後5日以内 更新されていなければ、更新の方法を書いた通知を、少なくとも1回送る
期限の後(削除まで) 期限の8日以内に削除するなら、期限から削除までDNSを止める。8日以上たってから削除するなら、更新できる期間の最後の8日間以上はDNSを止める。DNSが止められている間も、登録者は更新できる
削除の後30日間 Redemption Grace Period(RGP)。登録者の求めにより、削除したドメインを復旧できる。この間はDNSが止まり、移管もできない
料金の表示 登録事業者は、更新料・期限後の更新料(違う場合)・復旧(restore)の料金を、登録の時に分かるようにしておく

つまり、期限の後の「更新」と、削除の後の「復旧」は別の段階です。どの日に削除されるかは、登録事業者によって違います。復旧の段階では、通常の更新料とは別の料金がかかる場合があるため、料金は契約している会社の料金表で確かめます。

汎用JP(.jp):JPRSの決まり

  • 有効期限は、登録年月日の1年後の月末。廃止されなければ、JPRSが1年ずつ自動で更新する
  • 廃止申請がされると、その月の月末まで「To be suspended」
  • その翌日から1か月間(月末まで)「Suspended」。この月の1日から20日までが、登録回復の期間
  • 登録回復がされなければ、データベースから削除され、同じ文字列を誰でも登録できるようになる

.jpは「月末」で区切られるのが特徴です。更新の手続きを忘れて、登録事業者が廃止の申請をすると、この流れに入ると考えられます(登録事業者がいつ廃止申請をするかは、事業者ごとの扱いで、この記事では確かめていません)。

コード:期限の前後の日付を並べる

# ドメインの期限の前後に何が起きるかを、日付で並べる
# gTLD(.com・.netなど): ICANN「Expired Registration Recovery Policy」の最低限の決まり
# 汎用JP(.jp): JPRS「JPドメイン名のライフサイクル」
import datetime as dt

D = dt.timedelta
RGP_DAYS = 30          # gTLDの Redemption Grace Period(削除の直後から30日)
JP_RECOVERY_LAST = 20  # .jpの登録回復期間(Suspendedになった月の1日〜20日)


def month_end(y, m):
    return dt.date(y + m // 12, m % 12 + 1, 1) - D(days=1)


def gtld(expiry, deleted_after):
    print(f'■ gTLD  有効期限 {expiry}')
    print(f'  {expiry - D(days=30)}ごろ  1回目の期限の通知(約1か月前)')
    print(f'  {expiry - D(days=15)}      お名前.comの自動更新の日(更新期限日が有効期限と同じ場合、その15日前)')
    print(f'  {expiry - D(days=7)}ごろ  2回目の期限の通知(約1週間前)')
    print(f'  {expiry + D(days=5)}まで  期限後の通知(5日以内に少なくとも1回)')
    for n in deleted_after:
        deleted = expiry + D(days=n)
        print(f'  (仮)期限の{n}日後に削除された場合: 復旧できる期間 {deleted} 〜 {deleted + D(days=RGP_DAYS - 1)}')
    print()


def jp(registered, cancel_month):
    # 有効期限: 登録年月日の1年後の月末(廃止しなければ1年ずつ自動更新)
    print(f'■ 汎用JP  登録年月日 {registered}')
    print(f'  {month_end(registered.year + 1, registered.month)}  最初の有効期限(1年後の月末)')
    y, m = cancel_month
    print(f'  {y}年{m}月に廃止申請された場合:')
    print(f'  {month_end(y, m)}まで  To be suspended(廃止申請の月の月末まで)')
    ny, nm = (y, m + 1) if m < 12 else (y + 1, 1)
    print(f'  {dt.date(ny, nm, 1)} 〜 {month_end(ny, nm)}  Suspended(1か月間)')
    print(f'  {dt.date(ny, nm, 1)} 〜 {dt.date(ny, nm, JP_RECOVERY_LAST)}  登録回復の申請ができる期間')
    print(f'  {month_end(ny, nm) + D(days=1)} 以降  削除され、誰でも登録できる状態')
    print()


gtld(dt.date(2027, 3, 15), deleted_after=(8, 30))
jp(dt.date(2026, 10, 22), cancel_month=(2027, 10))

計算の結果(Python 3)

■ gTLD  有効期限 2027-03-15
  2027-02-13ごろ  1回目の期限の通知(約1か月前)
  2027-02-28      お名前.comの自動更新の日(更新期限日が有効期限と同じ場合、その15日前)
  2027-03-08ごろ  2回目の期限の通知(約1週間前)
  2027-03-20まで  期限後の通知(5日以内に少なくとも1回)
  (仮)期限の8日後に削除された場合: 復旧できる期間 2027-03-23 〜 2027-04-21
  (仮)期限の30日後に削除された場合: 復旧できる期間 2027-04-14 〜 2027-05-13

■ 汎用JP  登録年月日 2026-10-22
  2027-10-31  最初の有効期限(1年後の月末)
  2027年10月に廃止申請された場合:
  2027-10-31まで  To be suspended(廃止申請の月の月末まで)
  2027-11-01 〜 2027-11-30  Suspended(1か月間)
  2027-11-01 〜 2027-11-20  登録回復の申請ができる期間
  2027-12-01 以降  削除され、誰でも登録できる状態
  • .comが2027年3月15日に期限なら、通知は2月13日ごろと3月8日ごろ。お名前.comで自動更新を有効にしていれば、2月28日に更新される(更新期限日が有効期限と同じ場合)
  • 削除の日は事業者によるため、仮に期限の8日後・30日後とした。どちらでも、削除から30日が復旧の最後の機会
  • .jpを2027年10月に廃止申請された場合、登録回復ができるのは11月1日〜20日。12月1日以降は誰でも登録できる

期限切れを防ぐには(筆者の考え)

  • 自動更新を有効にし、支払いに使うカードの有効期限も確かめる。お名前.comは、自動更新が更新期限日の15日前に行われると書いている
  • お名前.comでは、一部のドメインで「更新期限日」が「登録期限日」より前に設定されている、とある。管理画面の更新期限日を基準にする
  • 登録事業者からの通知を受け取るメールアドレスが、今も使えるものか確かめる(独自ドメインのメールだけにしていると、期限切れの時に受け取れない)
  • 期限は、外から調べることもできる(ドメインの期限と状態を調べる方法)

この記事で確かめていないこと

  • 各登録事業者が、期限の何日後にドメインを削除するか
  • 期限後の更新と、復旧(RGP)の料金(事業者ごとに違う)
  • .jpの属性型(co.jpなど)の流れ(JPRSの説明では、汎用JPと違う)

まとめ

  • .comなどは、ICANNの規定で、期限の前に2回・後に1回の通知があり、削除の後30日間は復旧できる
  • .jp(汎用)は、廃止の翌月の1日〜20日が登録回復の期間。月末で区切られる
  • 期限後の更新や復旧には、通常と違う料金がかかる場合がある。自動更新とカード・通知先のメールを確かめておく

本記事はICANNとJPRSの公開資料にもとづく整理です。実際の日数と料金は、契約している登録事業者で確認してください。ドメインの取り方と更新料の比べ方は独自ドメインの取り方にまとめています。