個人事業の開業・廃業等届出書の書き方|国税庁の手引きで押さえる項目と、提出の方法
個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)の書き方は、国税庁の「書き方」の手引きで、用途・期限・所得の種類・給与等の支払の状況・個人番号と本人確認の順に説明されています。提出は、e-Taxか書面(持参または送付)です。e-Taxで提出する場合は、本人確認書類の提示や写しの添付は不要です。
この記事では、国税庁の手引きと手続の案内(確認日:2026年10月19日)の記載を、項目ごとに整理します。手引きのPDFは、国税庁の手続の案内にリンクされているもの(ファイルの場所には「h29」とありますが、本文には現行の期限が書かれています)です。内容に食い違いがある時は、手続の案内を優先してください。様式そのもの(PDF)はテキストを取り出せなかったため、様式の細かい欄の名前は、手引きに出てくるものに限って載せます。記入の前に、国税庁のPDFで様式を確認してください。
1. この届出書は何のためのものか
手引きには、この届出書は、新たに事業を開始した時、事業用の事務所・事業所を新設・増設・移転・廃止した時、または事業を廃止した時に提出するものだ、と書かれています。開業の時と、事業所の変更や廃業の時に、同じ様式を使います。
2. 提出期限と提出先
- 期限:事業の開始、廃止等の事実があった日の属する年分の所得税の確定申告期限まで(手引き)。提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、翌日が期限(国税庁の手続の案内)
- 提出先:納税地を所轄する税務署長(手引き)
期限は、「1か月以内」と書く解説もあり、食い違います。経緯は副業でアフィリエイト・EA販売を始めたら開業届は出すかに書きました。
3. 手引きに出てくる記入欄
| 欄 | 手引きの説明 |
|---|---|
| 所得の種類 | 新たに開始した事業(または廃止した事業)に係る所得の種類について、該当するものの□(チェック欄)にレ印を付ける |
| 給与等の支払の状況 | 届出日現在の、給与の支給人員と給与等の支払の状況、それらからみて源泉徴収すべき税額があるかを記載する。「給与の定め方」の項には日給・月給等の区分を書き、「税額の有無」の項には、各人ごとの給与額や扶養親族等の状況からみて、納税すべき税額があるかを判断して、区分の全員について税額がないと認められる場合は「無」、その他は「有」にレ印を付ける |
| 給与支払を開始する年月日 | 給与等の支払を開始する日(届出日現在で既に支払った場合は、開始した日)を記載する |
| その他参考事項 | 給与等の支払事務を行う事務所等を廃止した場合に、引き継いだ先の事務所等の所在地を記載する(廃止の場合の注意) |
給与の欄は、従業員などに給与を支払う場合に関わる欄です。自分ひとりで始める場合に、どう書くかは、この記事では確認していません。迷う場合は、税務署に確認してください。
4. 同時に期限を確認する書類
手引きの5には、新たに事業を開始した年から、青色申告の申請や、消費税の課税事業者の選択をする場合の期限が書かれています。
| 書類 | 期限 |
|---|---|
| 青色申告承認申請書 | 1月15日までに新たに事業を開始した場合:その年の3月15日。1月16日以降に開始した場合:事業を開始した日から2か月以内 |
| 課税事業者選択届出書 | 新たに事業を開始した年の末日(12月31日) |
青色申告承認申請書については青色申告承認申請書の提出期限に、早見表をまとめました。
5. 個人番号と本人確認
- 届出書を提出する時には、①個人番号(12桁)の記載、②届出をする方の本人確認書類の提示、または写しの添付が必要(手引き。書面で提出する場合)
- e-Taxで提出する場合は、本人確認書類の提示や写しの添付は不要(国税庁の手続の案内)
- 届出書の控えを保管する場合は、控えには個人番号を記載しない(複写で控えを作る場合は、個人番号の部分が複写されない措置を講ずる)など、取り扱いに注意する(手引き)
6. 白色申告の場合の注意
手引きの「お知らせ」には、事業所得・不動産所得・山林所得のある白色申告の方について、次の制度があると書かれています。
- 記帳・帳簿書類保存制度
- 総収入金額報告書を提出する制度
- 収支内訳書を確定申告書に添付する制度
また、1月1日から6月30日までの期間(特定期間)内に開業して、その期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合には、開業した翌年に消費税の課税事業者になる、とも書かれています。この場合は、「消費税課税事業者届出書(特定期間用)」を速やかに提出します。
7. 出し方
- e-Tax:パソコンからe-Taxソフトで届出書を作成して、e-Taxで提出する。初めてe-Taxを使う場合は、利用者識別番号を取得する
- 書面:届出書を作成して、持参または送付で提出する
- 税務署の窓口:国税庁の案内では、総合窓口の受付時間は、原則として午前9時から午後3時まで。受付時間外でも、開庁時間内(8時30分から17時まで)に来署した場合は、各種手続を利用できるが、可能な限り受付時間内に来署するよう案内されている
書類を、質問に答える形で作れる無料のソフトもあります(副業でアフィリエイト・EA販売を始めたら開業届は出すかの中で紹介しています)。
まとめ
- 開業・廃業・事業所の変更に、同じ様式の届出書を使う
- 期限は、事実があった日の属する年分の確定申告期限まで。提出先は納税地の所轄税務署
- 書面では、個人番号の記載と本人確認書類が必要。e-Taxなら、本人確認書類は不要。控えに個人番号は書かない
- 青色申告承認申請書や、課税事業者選択届出書は、別の期限がある
- 自分ひとりで始める場合の給与の欄の書き方は、税務署に確認する
本記事は国税庁の公開資料にもとづく一般的な情報であり、税務の助言ではありません。個別の判断は税務署または税理士に確認してください。


