MT5で時間足を変えると水平線が消える原因|2つの確認
時間足を切り替えた時だけ水平線が消える原因は、① その線の表示設定で、その時間足が外れているか、② チャートに入れているインジケーター・EAが、時間足の切り替え時に線を消しているかの2つです。
どちらかはオブジェクトリスト(Ctrl+B)で見分けられます。線がリストに残っていれば①、リストからも消えていれば②です。
(確認環境:MetaTrader 5 / Windows 11。画面の表記はMT5本体に含まれる文字列で確認しています)
まず①か②かを見分ける
- 線が消えた状態のチャートで Ctrl+B を押し、オブジェクトリストを開く
- 引いたはずの水平線が一覧にあるかを見る
| オブジェクトリスト | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 線が残っている | ① 表示設定で、今の時間足が外れている | 「表示選択」を直す |
| 線が無い | ② 何かが線を削除した | 入れているツールを疑う |
①は「隠れているだけ」、②は「本当に消されている」です。対処がまったく違うので、先にここを確認してください。
① 表示設定で時間足が外れている
MT5の水平線などのオブジェクトには、どの時間足で表示するかという設定があります。ある時間足のチェックが外れていると、その時間足に切り替えた時だけ線が見えなくなります。
直し方
- オブジェクトリスト(Ctrl+B)で、その水平線を選んでプロパティを開く
- 「表示選択」タブを開く
- 「すべての時間足」にチェックを入れる
逆に、「1時間足で引いた線は1時間足だけに出したい」という使い分けもこの設定でできます。上位足で引いた線と下位足で引いた線が混ざって見にくい時に便利です。
MQL5の公式リファレンスでも、オブジェクトの表示先は時間足ごとのフラグで管理されており、すべての時間足に表示する値(OBJ_ALL_PERIODS)と、どの時間足にも表示しない値が定義されています。
② インジケーター・EAが線を消している
Yahoo!知恵袋などで見かける「ツールを使っていたら、時間足を変えると水平線が消える」という相談は、こちらが原因のことが多いと考えられます。仕組みは次のとおりです。
時間足を変えると、ツールは一度終了して起動し直す
MQL5の公式リファレンスには、プログラムが終了する理由の一つとして「シンボルかチャート期間が変更されました」(REASON_CHARTCHANGE)が定義されています。つまり、時間足を切り替えるたびに、チャート上のインジケーターやEAは一度終了し、新しい時間足で起動し直します。
終了する時に「チャート上の全部」を消すツールがある
ツールは、自分が描いた線や文字を、終了する時に片付けるのが普通です。その片付けに使われる関数 ObjectsDeleteAll について、公式リファレンスには次のように書かれています。
「空の文字列がプレフィックスとして指定された場合、全ての名称のオブジェクトが削除されます」
本来は「このツールが描いた線だけ」を名前の先頭の文字(プレフィックス)で指定して消します。これを指定せずに消す作りのツールだと、あなたが手で引いた水平線まで一緒に削除されます。そして時間足を変えるたびに終了するので、「時間足を変えると線が消える」という症状になります。
確かめ方と対処
- ツールを1つずつ外して、時間足を切り替えてみる — 線が消えなくなったら、そのツールが原因です
- ツールの設定に「終了時にオブジェクトを削除する」などの項目がないか確認する
- 無ければ作者に報告する。上の仕組みを伝えれば、プレフィックス付きの削除に直してもらえる可能性があります
自分でインジケーターを書いている場合は、終了処理で ObjectsDeleteAll に自分のオブジェクト名の先頭文字(例:"MYTOOL_")を必ず渡してください。初期化と終了の流れはMQL5のOnInitの戻り値でも扱っています。
それ以外で「消えた」ように見える場合
- 別のチャートウィンドウを見ている — 線は引いたチャートウィンドウにだけあります。同じ銘柄でも、新しく開いたチャートには出ません
- ローソク足の後ろに隠れている — プロパティの「オブジェクトを背景として表示」にチェックがあると、線がローソク足の裏側に描かれます
- 色が背景と同じ — 配色を変えた後に起きます。オブジェクトリストに残っていれば、色を変えれば見えます
チャートの設定を保存して使い回す場合の注意はMT5の定型チャートの使い方にまとめています。
まとめ
- まずCtrl+B(オブジェクトリスト)で、線が残っているかを見る
- 残っている → 「表示選択」タブで「すべての時間足」にチェック
- 残っていない → 入れているツールが、時間足の切り替え時に全オブジェクトを消している可能性が高い。1つずつ外して確かめる
- 時間足を変えると、インジケーター・EAは一度終了して起動し直す(公式:REASON_CHARTCHANGE)
時間足の切り替えは、線が消えるだけでなく、自動売買(アルゴリズム取引)をOFFにする設定の引き金にもなります。MT5の自動売買が勝手にOFFになる原因を参照してください。
本記事は操作手順を説明したものであり、特定の売買や業者を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。FXは元本割れの可能性があります。


