ネットショップの特商法表記の住所|BASE・STORESの非公開設定と条件
自宅の住所を出さずにネットで物を売る方法として、ネットショップ作成サービスの「特定商取引法に基づく表記」の住所・電話番号を非公開にする設定がよく紹介されます。BASEとSTORESには、個人のショップに限って、表記にサービス運営会社の住所・電話番号を表示する機能があります。ただし、条件があり、EAのようなFXの自動売買ツールは、そもそも販売できない場合があります。この記事では、両サービスの公式ヘルプと規約をもとに、非公開設定の条件と、EA・ツールを売る人が先に確かめることを整理します。
(確認:BASEヘルプ「住所を、購入者へ非公開にできますか」「特商法の設定マニュアル(個人)はありますか」「金融系情報商材、副業あっせん等情報商材・ツール及び関連商品・サービスについて」、STORESのよくある質問「ストアの所在地・連絡先を非公開にする方法」「非公開にした場合、連絡先が開示されることはありますか」、STORES ネットショップ 利用規約と取扱禁止商品等(2026年2月4日改定の版)。確認日:2026年10月21日。どちらのサービスも、筆者は使っていません)
非公開設定の比較
| 項目 | BASE | STORES |
|---|---|---|
| 使える人 | 区分「個人」のショップのみ(個人事業主も「個人」) | 事業形態が個人・個人事業主のみ |
| 表記に出る住所・電話番号 | BASE株式会社の住所・連絡先 | STORES株式会社の所在地・電話番号 |
| 氏名 | 非表示にできない(本人確認書類の正式な氏名) | 非公開にできない(個人は氏名のフルネーム) |
| 登録する住所 | 非公開でも正確に入力(決済の審査などに必要) | 現に活動している住所。バーチャルオフィスの住所等の登録は認められない |
| 本人確認 | (確認した範囲では記載なし) | 初回の入金時までに本人確認 |
| 発送・納品書 | 発送元は自分の住所・電話番号。納品書にはショップの住所が載る | 発送伝票・納品書は自分の情報。匿名配送の機能は無い |
| 開示される場合 | 返品の依頼や取引の問い合わせなどがあれば、住所・連絡先を開示する場合がある | 購入者が急いでいる・開示を強く求めた・STORES側で判断できない場合などに開示することがある |
STORESのよくある質問には、この機能は画面上の表示を一時的に代行するもので、特定商取引法上の表示義務や責任を免除するものではない、と書かれています。BASEのヘルプにも、非公開にしても、返品などの場面では開示する場合があると書かれています。購入者に住所が伝わる場面は残る、と考えておく必要があります。
消費者庁のQ&Aとの関係
消費者庁の特定商取引法のQ&Aでは、個人事業者がプラットフォーム事業者の住所・電話番号を表示する方法について、一定の条件のもとで特定商取引法の要請を満たすと考えられる、としています(条件の一つは、取引の活動がそのプラットフォーム上で行われること)。BASE・STORESの非公開設定は、この考え方に沿った仕組みと読めます。Q&Aの条件の詳細は、住所・電話番号を表示しない条件にまとめています。
なお、STORESが「バーチャルオフィスの住所等の登録は認められない」としているのは、STORESに登録する住所の話です。自分の販売サイトの表記にバーチャルオフィスの住所を書く方法は、消費者庁のQ&Aに別の条件が示されていて、EA・ツールを販売する時の特定商取引法の表記と住所で整理しています。
EA・ツールを売る人が先に確かめること:販売できる商品か
住所の設定より先に、売りたい物がそのサービスで扱えるかを確かめます。
- BASE:ヘルプの「金融系情報商材、副業あっせん等情報商材・ツール及び関連商品・サービス」のページに、販売できない商品として「株式やFXなどの自動売買ツール」と、「アフィリエイトや副業など、収入を得るための情報商材」が挙がっています。つまり、FXのEAはBASEでは販売できません
- STORES:利用規約で、別に定める「取扱禁止商品等」の出品が禁止されていて、その一覧に「金融商品に関連する情報商材」があります。EAがこれに当たるかは、一覧の文言からは判断できませんでした(未確認)。出品する前に、STORESのサポートへ確かめてください
STORESのよくある質問には、禁止の商品の販売が確認された場合、ストアページを非公開にする場合があると書かれています(BASEの該当ページでは、措置の記載は確認していません)。EA・インジケーターを売る場合は、MQL5のマーケットなど、取引ツールを扱う販売の場を選ぶか、自分のサイトで販売して特定商取引法の表記を自分で整える方法になります。
非公開設定を使う前のチェックリスト
- 売る物が、そのサービスの禁止商品に当たらないか(金融系・副業系の情報商材やツールは特に注意)
- 区分が「個人」(個人事業主)か。法人は使えない
- 登録する住所は、実際に活動している住所か(STORESはバーチャルオフィスの住所を認めない)
- 発送する物がある場合、伝票・納品書に自分の住所が載ることを受け入れられるか
- 返品や問い合わせの時に、住所・連絡先が開示されうることを理解しているか
この記事で確かめていないこと
- BASE・STORESの管理画面での実際の操作(使っていないため、ヘルプの手順の記載だけ)
- STORESの「金融商品に関連する情報商材」の範囲(EAが含まれるか)
- BASE・STORES以外のサービス(note・BOOTHなど)の住所の扱い
まとめ
- BASEとSTORESは、個人のショップに限り、特商法の表記に運営会社の住所・電話番号を表示できる。氏名は非公開にできない
- 登録には正確な住所が必要で、STORESはバーチャルオフィスの住所を認めていない。発送物や返品の対応では、自分の住所が伝わる場面がある
- BASEは「株式やFXなどの自動売買ツール」を販売できない商品としている。EAを売るなら、扱える販売の場を先に選ぶ
本記事は各サービスの公式ヘルプ・規約の整理であり、法律の個別の判断ではありません。条件は変わることがあるため、利用する前に各サービスの最新の案内を確認してください。

