pingで遅延を測る方法|VPNの前と後で比べる手順と、筆者のPCの実測値
通信の遅延は、Windowsのpingコマンドで測れます。ping -n 20 ホスト名で20回測り、最小・平均・最大を見ます。VPNを使う前と後で、同じ相手に同じ回数を測って比べると、VPNでどれだけ遅延が増えたかが数字で分かります。
この記事では、筆者のPC(VPNなし)で実際に測った値を例に、測り方と、結果を読む時の注意をまとめます。(測定日:2026年10月19日18時台/Windows 11/PowerShell 7.6.7)
1. pingで測る
Microsoftのpingコマンドのページによると、pingは、ICMPのエコー要求メッセージを送って、相手までの接続を確認するコマンドです。送る回数は/n 回数で指定し、既定値は4回です。1回や4回では値がぶれるので、20回に増やします。
ping -n 20 realine.net
最後の統計に、最小(Minimum)・最大(Maximum)・平均(Average)がミリ秒(ms)で出ます。筆者のPCでのrealine.netの結果は、最小9ms・最大10ms・平均9ms、20回中の欠落は0でした。
2. PowerShellで、ばらつきも出す
Test-Connectionコマンドレットを使うと、20回分の値を一覧で受け取り、平均とばらつき(標準偏差)まで計算できます。PowerShell 7で実行しました。
$r = Test-Connection -TargetName realine.net -Count 20
$lat = $r | Where-Object { $_.Status -eq 'Success' } | ForEach-Object { $_.Latency }
$m = $lat | Measure-Object -Average -Minimum -Maximum
$sd = [math]::Sqrt((($lat | ForEach-Object { ($_ - $m.Average) * ($_ - $m.Average) }) | Measure-Object -Sum).Sum / $lat.Count)
"{0}回成功 最小{1} 平均{2:N1} 最大{3} ms 標準偏差{4:N1}" -f $lat.Count, $m.Minimum, $m.Average, $m.Maximum, $sd
Windows PowerShell 5.1では出力の項目名が違う場合があります。動かない場合は、1.のpingコマンドで測ってください。
3. 筆者のPCで測った値(VPNなし)
| 相手 | 成功 | 最小 | 平均 | 最大 | 標準偏差 |
|---|---|---|---|---|---|
| realine.net(当サイトのサーバー) | 20/20 | 9ms | 9.0ms | 9ms | 0.0 |
| 8.8.8.8(GoogleのDNS) | 20/20 | 7ms | 7.3ms | 8ms | 0.5 |
| 1.1.1.1(CloudflareのDNS) | 20/20 | 10ms | 10.0ms | 10ms | 0.0 |
| metatrader5.com | 20/20 | 240ms | 240.0ms | 240ms | 0.0 |
近くにある相手は7〜10msですが、海外にあるmetatrader5.comは240msでした。相手までの距離と経路で、遅延はこれだけ変わります。Test-Connectionの値は整数(ms)で出るため、1ms未満の違いは読み取れません。
4. VPNの前と後で比べる手順
- VPNなしで測る:上の2つの方法で、自分が使う相手(利用中の業者のサーバー名、VPSのIPアドレスなど)を測り、値を控える
- VPNをつないで、同じ相手を同じ回数で測る:VPNのサーバーは、近い場所と遠い場所で比べるとよい
- 平均と最大とばらつきを並べる:平均が増えたか、最大が跳ねていないか、標準偏差が大きくなっていないかを見る
- 時間帯を変えて、もう一度測る:同じ時間帯の値だけでは偏りが出ます
| 比べる項目 | VPNなし | VPNあり(近いサーバー) | VPNあり(遠いサーバー) |
|---|---|---|---|
| 平均(ms) | (測った値) | (測った値) | (測った値) |
| 最大(ms) | (測った値) | (測った値) | (測った値) |
| 標準偏差 | (測った値) | (測った値) | (測った値) |
| 欠落(20回中) | (測った値) | (測った値) | (測った値) |
この記事では、VPNをつないだ状態の値は測っていません。VPNでどれだけ遅延が増えるかは、使うサービス・サーバーの場所・回線で変わるため、読者の環境で測った値で判断してください。
5. 結果を読む時の注意
- pingは、ICMPの往復の時間です。EAの発注にかかる時間そのものではありません。業者のサーバーが注文を処理する時間や、プログラムが動く時間は含まれません
- 相手によっては、ICMPの応答を返さない設定のことがあります。応答がなくても、相手が止まっているとは限りません
- 1回だけの値や平均だけではなく、20回の最大値とばらつきも見ます。平均が同じでも、一時的な跳ねがあるかどうかは、最大値とばらつきで分かります(良し悪しの数字の基準は、この記事では示しません)
- Wi-Fiで測った値と、LANケーブルで測った値は別に控えます(公衆Wi-Fiのリスクと確認項目も参照)
VPNを使うかどうかの判断は、公衆Wi-FiからMT5・VPSに入る時の守り方にまとめています。
まとめ
- pingの既定は4回。
ping -n 20で20回測り、最小・平均・最大を見る - PowerShell 7のTest-Connectionなら、標準偏差(ばらつき)まで出せる
- 筆者のPC(VPNなし)では、近い相手が7〜10ms、海外のmetatrader5.comが240ms
- VPNの前後で、同じ相手・同じ回数・別の時間帯で測って比べる。VPN接続時の値は、この記事では測っていない


