GPLのテーマは複数のサイトで使えるか|LIQUID PRESS・Emanon・SWALLOWの規約を比べる
WordPress公式は、テーマはWordPressのGPLを引き継ぐ派生物だと考えている、と書いています。ただし、何が派生物にあたるかには法的に曖昧な部分がある、とも書いています。実際に何ができるかは、販売元のライセンス表示と利用規約で決まります。「GPLだから、何サイトにでも入れられる」とは限りません。販売元の規約で、サイト数や、画像・CSS・JavaScriptの扱いが別に決められている場合があるためです。複数のサイトを運営する人は、購入の前に、テーマごとの規約を読む必要があります。
この記事では、WordPress公式のライセンスのページと、LIQUID PRESS・Emanon・SWALLOWの公式サイトの記載(確認日:2026年10月20日)を、サイト数・商用利用・クライアントワークの3点で並べます。法律の判断はしません。契約の最終的な内容は、各社の最新の規約で確認してください。
1. WordPress公式が書いているライセンスの前提
WordPress.orgのLicenseのページには、次のように書かれています。
- WordPressのソフトウェアは、GPLv2(またはそれ以降)で公開されている
- このライセンスは、プラグインやテーマのような派生物に対する要件を含む。WordPressのコードの派生物は、GPLを引き継ぐ
- 何が派生物かには、法的に曖昧な部分がある。WordPress側は、プラグインとテーマは派生物であり、GPLを引き継ぐと考えている
つまり、WordPress公式の見解では、テーマのPHPのコードは、有料のテーマでもGPLを引き継ぎます。一方で、画像・CSS・JavaScriptや、サポートの権利、利用規約の範囲が、どう扱われるかは、販売元ごとに違います。次の章で、3社の記載を見ます。
2. 3社の公式サイトの記載
| 項目 | LIQUID PRESS | Emanon | SWALLOW(OPENCAGE) |
|---|---|---|---|
| ライセンス | 全てのテーマ・プラグインが、WordPress本体と同じGPL。商用利用・改変・再配布が可能(著作権を放棄するものではない) | GPLライセンスが適用される。どのような内容のサイトでも利用でき、一切の制限がない | テーマ内のPHPファイルはGPL。画像・CSS・JavaScriptは独自ライセンス |
| サイト数 | 設置数等の制限なし(LIQUID PRESSの製品ページ) | 全ての製品(有料・無料)が使い回せる。複数のドメイン・サーバーで利用できる | 1回の購入で1サイト。マルチサイトは、複数の子サイトに適用できる |
| 例外・補足 | 著作権表示は、管理画面から削除できる | ― | テスト用の非公開サイトと本番の両方に入れる場合、サイトを乗り換える場合は、1回の購入でよいと書かれている |
| クライアントへの提供 | クライアントや代理店への提供が可能。独自管理画面の機能は、サブスクリプションの「エンタープライズ」プラン | 第三者のサイト制作に伴うサポートは、別の「Emanon受託制作サポート」 | クライアントワーク(第三者のサイト制作)にも使える |
SWALLOWの「GPLなのに1サイト」の読み方
OPENCAGEの利用規約には、PHPファイルはGPLだが、画像・CSS・JavaScriptは独自のライセンスで、コピーして別のサイトで使うことはできない、と書かれています。さらに、「1回の購入で1サイトに利用可能」とも書かれています。複数のサイトに適用する場合は、サイト数に応じて購入を求める、というのが、販売元の説明です。
「PHPがGPLだから、テーマのフォルダを丸ごと別のサイトにコピーしてよい」とは、この規約からは読み取れません。GPLの範囲と、販売元の規約の範囲は、別々に確認します。
3. 5つのサイトに入れる場合の購入費(公式の表示からの計算)
| テーマ | 購入の考え方 | 5サイトの購入費 |
|---|---|---|
| SWALLOW(9,900円・税込) | サイトごとに購入 | 9,900円×5=49,500円 |
| Emanon Pro(9,800円・税込) | 複数のドメイン・サーバーで利用できる | 9,800円(1回) |
| LIQUID PRESS(16,280円と読める価格) | 設置数の制限なし | 16,280円(1回)。購入画面で税込か確認 |
この計算は、購入費だけです。サポートについては、LIQUID PRESSの導入サポートは購入後30日間で、無期限のサポートは別のプランです。Emanonのサポートは、商品固有の機能について、承認制で申請します。サポートの条件も合わせて比べてください(有料WordPressテーマの選び方)。
4. 規約を読む時の確認項目
- 1購入で使えるサイトの数(本番・テスト・乗り換え・マルチサイトを、どう数えるか)
- GPLの範囲:PHPだけか、画像・CSS・JavaScriptも含むか
- クライアントワークに使えるか(制作して納品する場合)
- サポートの期間と範囲:購入者だけか、サイトごとか
- 返品・返金:3社とも、ダウンロード商品として、返さないと書かれている
- ライセンスIDなどの設定:購入後に、IDの入力が必要か(LIQUID PRESSは、外観>カスタマイズ>ライセンスIDの設定が必要と書かれている)
複数のサイトに同じテーマを入れる前には、テーマ側の設定の移し方も確かめます。子テーマは親テーマに依存します(子テーマが有効か確かめる方法)。
まとめ
- WordPress公式は、テーマはGPLを引き継ぐ派生物という見解を書いている
- GPLでも、サイト数は、販売元の規約で決まる。SWALLOWは1サイト1購入、EmanonとLIQUID PRESSは設置数の制限がないと書かれている
- SWALLOWは、PHPはGPLだが、画像・CSS・JavaScriptは独自ライセンス
- 5サイトなら、SWALLOWは購入費が5倍になる(公式の表示からの計算)
- 規約は変わるため、購入の前に、最新の内容を各社の公式サイトで確認する
本記事はWordPress.orgのLicenseのページと各社の公開資料(確認日:2026年10月20日)にもとづく一般的な情報であり、法律の助言ではありません。契約の判断は、各社の最新の規約と、必要なら専門家に確認してください。


