マネージドクラウドとWordPress|メール・cron・自動バックアップが無い点と移す前の確認

ロリポップ!マネージドクラウドでも、WordPressのプロジェクトは、テーマやプラグインのインストール、REST APIなど、ふつうのWordPressと同じように使えます。ただ、公式ヘルプを読むと、メールサーバーがない、cronに当たる機能がない、データベースの自動バックアップがないなど、レンタルサーバーとは違う点がいくつもあります。問い合わせフォームやメールマガジン、ネットショップを動かしているサイトでは、移す前に確かめておかないと困ります。この記事では、ヘルプの制限を整理し、自分のサイトに、メールや定期処理を使うプラグインがあるかを外から調べるPythonを、当サイトで実行します。

(確認:ロリポップ!マネージドクラウド ヘルプ「WordPress プロジェクトに制限はありますか?」「メールサーバーはつかえますか?」「sendmail は使えますか?」「cron はつかえますか?」「データベースの自動バックアップはありますか?」「データベースの数や容量はどのくらいまで使えますか?」「アップロードできる上限はどれくらいですか?」「コンテナの起動とはなんですか?」。確認日:2026年10月30日。当サイトはマネージドクラウドではありません)

ヘルプに書かれている制限

項目 ヘルプの記載
WordPress ふつうのWordPressと同じく、テーマ・プラグイン・REST APIなどが使える。作成時の最新版が入り、SiteGuard WP Plugin・Site Kit by Google・WP Multibyte Patch と、WP-CLI が初めから入っている
メール メールサーバーの提供はなく、メールアドレスの作成・受信・送信は使えない。sendmailは、パスワードを再設定するメールなど、ごく少数の利用を想定。メールを送るアプリには、外部のメールサーバーが要る
cron cronに当たるスケジュールの機能はない。外部の仕組みからAPIを呼ぶなどで代える
データベース 自動バックアップはない(自分で取る)。1プロジェクトに1つまで、500MBが目安
アップロード 1リクエストあたり概ね100MBまで。超えると「413 Request Entity Too Large」。緩めることはできない
コンテナ Webのアクセスか、SSHの接続で起動し、起動から20分たってつながりがなければ自動で止まる。常に起動し続けることはできない

WordPressの予約投稿などは、WordPressの中の「WP-Cron」が、サイトへのアクセスがあった時に動かす仕組みです(WordPressの予約投稿が公開されない理由)。マネージドクラウドではOSのcronがなく、コンテナもアクセスがない時は止まるため、アクセスの少ないサイトでは、予約の時刻どおりに動かないことがありうる、と筆者は考えます。

コード:メールや定期処理を使うプラグインを見つける

REST APIの入口(/wp-json/)に出ている名前空間から、メールや定期処理を使うことの多いプラグインを探します。名前空間とプラグインの対応、プラグインがメールを使うかどうかは、筆者の判断です。

# WordPressのサイトを、ロリポップ!マネージドクラウドへ移す前に、制限に当たりそうな使い方があるかを外から調べる(読み取りのみ)
# 公式ヘルプの制限:メールサーバーなし(sendmailは非常用途のごく少数)/cronに相当する機能なし/DBの自動バックアップなし
#   DBは1プロジェクト1つ・500MBが目安/アップロードは1リクエスト概ね100MBまで
# 調べ方:REST API の入口(/wp-json/)の namespaces から、メールや定期処理を使うことの多いプラグインを見つける
#   (名前空間とプラグインの対応、プラグインがメールや定期処理を使うかは、筆者の判断)
import json
import sys
import urllib.request

HINTS = {
    'mailpoet': 'メールマガジン(MailPoet)→ 大量のメール送信。外部のメールの仕組みが要る',
    'contact-form-7': '問い合わせフォーム(Contact Form 7)→ 送信メール',
    'wc/': 'ネットショップ(WooCommerce)→ 注文メール・定期処理',
    'woocommerce-email-editor': 'WooCommerce のメールの編集 → 注文メール',
    'jetpack': 'Jetpack → 一部の機能はWordPress.comとの連携・定期処理',
    'redirection': 'リダイレクトの管理(Redirection)→ メール・cronへの依存は小さい',
}

site = (sys.argv[1] if len(sys.argv) > 1 else 'https://realine.net').rstrip('/')
req = urllib.request.Request(site + '/wp-json/', headers={'User-Agent': 'Mozilla/5.0 (mc-fit-check)'})
ns = json.loads(urllib.request.urlopen(req, timeout=30).read())['namespaces']
print(f'{site} の REST の名前空間: {len(ns)}個')
found = {}
for key, msg in HINTS.items():
    hit = [n for n in ns if n.startswith(key)]
    if hit:
        found[key] = (msg, hit)
for key, (msg, hit) in found.items():
    print(f'  {hit[0]:<28}ほか{len(hit) - 1:>2}個  {msg}')
print('当てはまらなかったもの: ' + ', '.join(k for k in HINTS if k not in found))

実行の結果(realine.net)

https://realine.net の REST の名前空間: 42個
  mailpoet/v1                 ほか 0個  メールマガジン(MailPoet)→ 大量のメール送信。外部のメールの仕組みが要る
  wc/v3                       ほか12個  ネットショップ(WooCommerce)→ 注文メール・定期処理
  woocommerce-email-editor/v1 ほか 0個  WooCommerce のメールの編集 → 注文メール
  jetpack/v4                  ほか 6個  Jetpack → 一部の機能はWordPress.comとの連携・定期処理
  redirection/v1              ほか 0個  リダイレクトの管理(Redirection)→ メール・cronへの依存は小さい
当てはまらなかったもの: contact-form-7
  • 当サイトには、メールマガジン(MailPoet)と、ネットショップ(WooCommerce)が入っていた。どちらもメールを送るため、マネージドクラウドへ移すなら、外部のメールサーバーを用意する必要がある
  • 問い合わせフォームのプラグイン(Contact Form 7)は見つからなかった。ほかの方法で問い合わせを受けている場合も、メールを送るかを確かめる

移す前のチェック(筆者の考え)

  1. メールを送る機能を洗い出す:問い合わせ・会員登録・注文・メールマガジン。外部のメールサーバー(ヘルプでは、ロリポップ!レンタルサーバーやムームーメールとの併用の手順が紹介されている)を決める
  2. データベースの大きさを見る:500MBが目安。今のサーバーのphpMyAdminなどで確かめる
  3. バックアップを自分で取る仕組みを用意する:データベースの自動バックアップはない(WordPressのバックアップ)
  4. 大きなファイルは100MBに収める:動画などは外部のサービスに置く
  5. 定期処理が要るなら、外から呼ぶ方法を考える:ヘルプは、APIを作って外部のスケジューラーから呼ぶ方法を例に挙げている

お試し期間と料金を止める手順はマネージドクラウドのお試し10日間にまとめています。

この記事で確かめていないこと

  • マネージドクラウドで、WP-Cronの予約投稿が実際に時刻どおりに動くか
  • sendmailで送れる通数の上限(ヘルプは「ごく少数」とだけ書いている)
  • 名前空間からプラグインを見分ける方法の確かさ(名前空間を出さないプラグインは見つけられない)

まとめ

  • マネージドクラウドのWordPressは、テーマ・プラグイン・REST APIは使えるが、メールサーバー・cron・データベースの自動バックアップはない
  • データベースは1つで500MBが目安、アップロードは1回100MBまで。コンテナはアクセスがない時は止まる
  • 当サイトのようにメールマガジンやネットショップがあるサイトは、外部のメールサーバーを決めてから移す

本記事はロリポップ!マネージドクラウドの公式ヘルプと、当サイトでの実行の結果にもとづく整理です。料金の仕組みはLOLIPOP!マネージドクラウドの料金にまとめています。