MT5はCPUのコアをいくつ使うか|普段の稼働とストラテジーテスターの違い

「MT5を動かすなら、CPUは何コア必要か」という疑問への答えは、普段の稼働と、ストラテジーテスターで最適化する時で、まったく違います。この記事では、筆者のPCで稼働中のMT5のCPUの使い方を測った結果と、MT5の公式ヘルプに書かれたテスターのエージェントとコアの関係をまとめます。

(確認:MetaTrader 5ヘルプ「ストラテジーテスター」「メタテスターと遠隔エージェント」。筆者のPCでの測定は2026年10月16〜17日。CPUはIntel Core i5-11400(6コア・12スレッド)です)

普段の稼働:MT5は1コアも使い切っていなかった

筆者のPCで、EAとチャートを動かしている状態のMT5(terminal64)を、Windowsの typeperf で5秒おきに12回記録しました(記録の方法はMT5のメモリとCPUを測る方法)。

項目 結果
MT5のCPU(% Processor Time) 最小68.1・最大91.7・平均約83.5
CPU全体(12スレッド)に対する割合の目安 83.5 ÷ 12 ≒ 約7%
MT5のスレッド数 46(PowerShellの Get-Process terminal64 で確認)

プロセスの「% Processor Time」は、1つの論理プロセッサを100として数えた値の合計として扱われるのが一般的です(筆者の理解。この記事では厳密な定義を確かめていません)。そう読むと、筆者の環境のMT5は、平均で1コア分に届かない量のCPUしか使っていませんでした。スレッドは46ありますが、それぞれが常に忙しいわけではありません。

ストラテジーテスター:コアの数だけ並べて動く

MT5の公式ヘルプには、次のように書かれています。

  • ストラテジーテスターは、利用可能なコンピューターの資源をすべて使えるよう、マルチスレッドである
  • テストと最適化は、エージェントが実行する。エージェントは独立して動き、最適化の計算を並列に処理できる
  • ローカルエージェントは、MT5を入れたコンピューターに自動で作られ、その数はコンピューターのコアの数に対応する
  • エージェントを入れる時は、論理的なプロセッサコアと同じ数を勧める
  • 遠隔エージェントや、MQL5クラウドネットワークも使える

つまり、最適化をたくさん回す人ほど、コア(論理プロセッサ)の数が効いてきます。12スレッドのCPUなら12個、6スレッドのCPUなら6個のエージェントで並べて計算する、という考え方です。

用途別の目安(筆者の考え)

使い方 CPUの目安 先に見るべきもの
EAを数本、24時間動かすだけ 4〜6コアで足りる メモリと、止まらない設定
普段の作業と兼用 6コア程度 メモリ(筆者の16GBのPCは空き約1.5GB)
最適化をよく回す コア・スレッドが多いほど速い 最適化中は他の作業が重くなる。VPSでの最適化は契約の負荷の扱いも確認

モデルの選び方など、テスターの使い方はMT5ストラテジーテスターのモデルの選び方にあります。

VPSで動かす場合

VPSのプランには「vCPU 3コア」のように書かれています。普段の稼働だけなら、上の実測から、コアの数よりメモリが先に足りなくなると考えられます。最適化はPCで行い、VPSでは稼働だけにする、という分け方もあります。VPSの比べ方はMT5用Windows VPSの選び方、PCの選び方はMT5を自宅で動かすPCの選び方です。

自分のPCのコア数を確かめる

Get-CimInstance Win32_Processor | Select-Object Name, NumberOfCores, NumberOfLogicalProcessors

筆者のPCでは、NumberOfCoresが6、NumberOfLogicalProcessorsが12でした。ヘルプが「論理的なプロセッサコア」と書いているのは、後者の数にあたります。

最適化を自宅のPCで回す時の注意(筆者の考え)

  • 最適化はCPUの資源を多く使うように作られているため、同じPCで動かしているEAのMT5や、普段の作業が重くなる可能性があります。重い最適化は、EAを動かしていないPCで回すか、取引の少ない時間帯に回すと安心です
  • 最適化中は、PCの消費電力も上がると考えられます。電気代の計算は自宅PCでMT5を24時間動かす電気代にあります

この記事で確かめていないこと

  • 最適化中のCPU使用率とメモリ使用量の実測
  • 「% Processor Time」の厳密な定義(複数コアでの表示の仕方)
  • VPSの契約で、CPUを長時間使い続けることに制限があるかどうか(各社の規約で確認してください)

まとめ

  • 普段の稼働では、筆者のMT5は平均で1コア分に届かないCPUしか使っていなかった(12スレッドのCPU全体の約7%)
  • ストラテジーテスターは、コアの数だけエージェントを並べて最適化する。ヘルプは論理プロセッサと同じ数を勧めている
  • 稼働だけならメモリを優先し、最適化を多く回すならコア数を増やす

本記事は性能の考え方の説明であり、特定の製品や売買を勧めるものではありません。