MT5の証拠金維持率の見方と計算|マージンコール・ロスカットの水準は業者ごとに違う
MT5の証拠金維持率は、「有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100」で出る割合です。ツールボックスの「取引」タブにある口座の状態の行で見られます。マージンコールやロスカットが起きる水準は、MT5が決めるのではなく業者(ブローカー)が決めており、業者ごとに違います。
この記事では、証拠金維持率の見方と計算、余剰証拠金との違い、ロスカットが起きる時の動き、MQL5で値を読む方法をまとめます。水準の例として、Titan FXのヘルプセンターに書かれた数値も使います。
この記事について:MT5の使い方と、公式資料の確認方法の解説です。Titan FXの口座開設を勧めるものではありません。Titan FXは、金融庁の「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」に掲載があります(確認日:2026年10月7日)。経緯と調べ方は海外FX業者が金融庁に登録されているか調べる方法とTitan FXでMT5を使う前に確認する6項目にまとめています。
(確認:MetaTrader 5ヘルプ「取引の実行」、MQL5リファレンス「口座情報」、Titan FXヘルプセンター。画面の表記はMT5本体の日本語表示と照合。確認日:2026年10月7日。サンプルコードはMetaEditorでコンパイル確認。ログインした口座での実行結果は、この記事では確認していません)
どこに出るか:「取引」タブの口座の状態
ツールボックスの「取引」タブには、保有ポジションの一覧と、その下に取引口座の状態が1行で表示されます。MT5ヘルプには、次の項目が説明されています。
| 項目 | 意味(MT5ヘルプの記載) |
|---|---|
| 残高 | いま開いているポジションの結果を含まない、口座の残高 |
| 有効証拠金 | 残高 + クレジット − 手数料 ± 浮動損益 − ブロック で計算される |
| 証拠金 | ポジションと未決注文を保持するのに必要な金額(必要証拠金) |
| 余剰証拠金 | 新しくポジションを開くのに使える金額。有効証拠金 − 証拠金 |
| 証拠金維持率 | 有効証拠金が、証拠金の何%にあたるか。有効証拠金 ÷ 証拠金 × 100 |
MT5ヘルプでは「証拠金率」と書かれていますが、MT5本体の日本語表示では「証拠金維持率」になっています。同じものを指します。口座がマージンコールかロスカットの状態になると、口座の状態の行が赤で強調されます(MT5ヘルプ)。
計算してみる
数字は説明用の例です。
| 場面 | 有効証拠金 | 証拠金 | 証拠金維持率 |
|---|---|---|---|
| ポジションを建てた直後(含み損益なし) | 100,000 | 20,000 | 500% |
| 含み損が30,000になった | 70,000 | 20,000 | 350% |
| さらに含み損が増えて、有効証拠金が4,000になった | 4,000 | 20,000 | 20% |
見ての通り、証拠金維持率は、含み損益で有効証拠金が動くたびに変わります。ポジションを追加して証拠金が増えた時も下がります。余剰証拠金が少ないと、新しい注文が「証拠金不足」で通らなくなります(Titan FXのヘルプセンターでも、余剰証拠金 = 有効証拠金 − 必要証拠金と説明されています)。
マージンコールとロスカットの水準は、業者が決める
MQL5リファレンスには、口座の「証拠金コールレベル」と「証拠金ストップアウトレベル」を読む定数があります。値は、業者が設定したモードによって、パーセントか預金通貨で表されます。つまり、水準はMT5の共通ルールではなく、接続している口座ごとの設定です。
例として、Titan FXのヘルプセンターの記載を示します(確認日:2026年10月7日)。
- 証拠金維持率が90%を下回った時点で、マージンコール
- 証拠金維持率が20%以下になった時点で、強制ロスカット(「有効証拠金 ÷ 必要証拠金 ≦ 20%」)
用語は、MT5ヘルプでは「ストップアウト」、日本の業者や本体の表示では「ロスカット」と呼ばれています。同じ意味ですが、数値は業者によって違うため、口座開設前に業者の規約・ヘルプで確かめてください。
ロスカットが起きる時の動き
MT5ヘルプによると、ストップアウト(ロスカット)による決済は、サーバー側で処理されます。FIFO(先に開いたものから決済)が無効な通常のモードでは、損失が最も大きいポジションから先に決済されます。PCを閉じていても、サーバー側の処理は進みます(サーバーで動く注文の考え方はPCを閉じても損切りは効く?にまとめています)。
両建ての時の必要証拠金
同じ銘柄の売りと買いを同時に持つ両建ての必要証拠金は、業者によって扱いが違います。Titan FXのヘルプセンターには、両建て部分に対して、片側を単独で持った場合の必要証拠金の20%が必要と書かれています(例:レバレッジ500倍の口座でUSDJPYを買い1ロット・売り1ロットなら、通常200ドルの20%で40ドル)。MT5には、ヘッジ口座で使える「ヘッジ対象証拠金」という計算条件があり、業者が設定します(Titan FXがこの仕組みを使っているかは、ヘルプの記載からは確認していません)。
MQL5で値を読む
次のスクリプトは、口座の証拠金維持率とコール・ロスカットの水準を表示します。MetaEditorで0エラー・0警告でコンパイルできることを確認しています。ログインした口座での表示は、この記事では確認していません。
void OnStart()
{
double level = AccountInfoDouble(ACCOUNT_MARGIN_LEVEL);
double call = AccountInfoDouble(ACCOUNT_MARGIN_SO_CALL);
double so = AccountInfoDouble(ACCOUNT_MARGIN_SO_SO);
ENUM_ACCOUNT_STOPOUT_MODE mode =
(ENUM_ACCOUNT_STOPOUT_MODE)AccountInfoInteger(ACCOUNT_MARGIN_SO_MODE);
PrintFormat("証拠金維持率: %.2f", level);
PrintFormat("コール水準: %.2f / ロスカット水準: %.2f (%s)",
call, so,
mode == ACCOUNT_STOPOUT_MODE_PERCENT ? "パーセント" : "預金通貨");
}
ACCOUNT_MARGIN_LEVELは、口座の証拠金維持率(%)を返します。ポジションがなく証拠金が0のときは、0が返ると考えられますが、この点は実機では確認していません。実行結果の見方はMQL5のPrintとログの保存場所を参照してください。
見落としやすい点
- 表示は変動する。含み損益とスプレッドの変化で、数値はティックごとに動きます
- 通貨が違うポジションは、口座の通貨に換算されて合計されます
- ロスカットの水準に近づいてから対処しても、相場の急変では間に合わないことがあります。業者によっては、急変でマイナスになった残高を補填する制度を設けています(Titan FXのヘルプセンターに「ゼロカット制度」の説明がありますが、適用の可否は個別に精査され、乱用と判断された場合は補填されないことがあると書かれています)
まとめ
- 証拠金維持率は、有効証拠金 ÷ 証拠金 × 100。ツールボックスの「取引」タブの口座の状態で見る
- 余剰証拠金は、有効証拠金 − 証拠金。ここが少ないと新規の注文が通らない
- マージンコールとロスカットの水準は業者ごと。Titan FXのヘルプセンターでは、90%と20%(2026年10月7日確認)
- ロスカットはサーバー側で、損失が最も大きいポジションから先に決済される(FIFO無効の通常モード)
レバレッジと必要証拠金の関係はTitan FXのレバレッジは公式ページで数字が違う、ロットの決め方はMT5でロット数を計算する式にあります。Titan FXの口座条件の確認先はTitan FXでMT5を使う前に確認する6項目です。
免責事項
この記事は情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。特定の業者・口座・取引を勧めるものではなく、売買のタイミングや金額を示すものでもありません。
外国為替証拠金取引は、為替変動により元本を割り込む可能性があります。レバレッジをかけた取引では、証拠金を上回る速度で損失が拡大する場合があります。過去の実績や記載された条件は、将来の結果を保証しません。
記載した取引条件は確認日時点の公式ページ・ヘルプの内容であり、その後変更される場合があります。取引に関する判断は、読者自身の責任で行ってください。


