MT5を複数同時起動する方法|2つ目以降を別フォルダで動かす

同じFX業者のMT5を2つ以上同時に起動するには、インストール先のフォルダを分ける必要があります。1つのフォルダから2つ目を起動しても、すでに開いているウィンドウが前面に出るだけです。

方法は「別フォルダへ新規インストールする」か「インストール済みのフォルダをコピーする」かの2つです。この記事では両方の手順に加えて、起動できない時に見る箇所と、データフォルダがどこに作られるかまで扱います。

(確認環境:MetaTrader 5 / Windows 11)

1つのフォルダから2つ起動できない理由

MT5は、同じインストールフォルダから2つ目のプロセスを起動しません。ショートカットを2回押しても、1つ目のウィンドウがアクティブになるだけです。

別の業者のMT5同士であれば、インストール先が最初から違うため、何もしなくても並べて使えます。手当てが必要なのは同じ業者のMT5を2つ以上使いたい場合だけです。

方法1:別フォルダへ新規インストールする

インストーラから入れ直す方法です。ファイル操作をしないので、失敗しても元の環境が壊れません。

  1. 利用している業者のサイトから、MT5のインストーラをダウンロードする
  2. インストーラを実行し、「設定」を開く
  3. インストールフォルダ名を1つ目と違う名前に変更する(例:MetaTrader 5-2)
  4. プログラムグループも1つ目と違う名前に変更する
  5. インストールを完了させ、それぞれを起動してログインする

3と4を変えずに進めると、1つ目のインストール先に上書きされて2つにはなりません。ここが唯一の分岐点です。

方法2:インストール済みのフォルダをコピーする

すでに入っているMT5を複製する方法です。ダウンロードが不要で、インジケーターや設定を引き継いだ状態から始められます。

  1. デスクトップのショートカットを右クリックし、「ファイルの場所を開く」を選ぶ
  2. 開いたフォルダから1階層上に移動する
  3. MT5のフォルダを丸ごとコピーして貼り付ける
  4. コピーしたフォルダの名前を分かりやすく変える(例:MetaTrader 5-2)
  5. ショートカットをコピーし、右クリックしてプロパティを開く
  6. 「リンク先」と「作業フォルダー」の両方を、4で付けたフォルダ名に書き換える
  7. 書き換えたショートカットから起動し、ログインする

うまく起動しない場合、原因のほとんどは6で「作業フォルダー」を変え忘れていることです。「リンク先」だけ直して安心してしまいやすい箇所なので、両方を見直してください。

どちらを選ぶか

  方法1:新規インストール 方法2:フォルダコピー
手間 ダウンロードから始める コピーして名前を変えるだけ
引き継ぎ まっさらな状態から インジケーター・設定ごと複製
失敗時 元の環境に影響しない ショートカットの書き換えを誤ると起動しない
向く場面 用途の違う環境を分けたい 同じ環境をもう1つ増やしたい

検証用や本番用のように用途を分けるなら方法1、同じ環境をそのまま増やすなら方法2が早いです。

データフォルダがどこに作られるかを把握しておく

2つ目を作ると、必ずつまずくのが「インジケーターを入れたのに出てこない」という状態です。原因は、入れた先のデータフォルダが違うことにあります。

MetaTrader 5 の公式ヘルプでは、データフォルダの場所は次のように説明されています。

Windows Vista以上:「C:\ユーザー\ユーザ名\AppData\Roaming\MetaQuotes\Terminal\instance_id\」

出典:MetaTrader 5 ヘルプ「起動オプション」

instance_id は英数字の長いフォルダ名で、インストール先ごとに別々に作られます。2つ目を作った時点で、MQL5フォルダも2つに分かれているということです。

公式ヘルプにはもう1つ、起動オプションの記載があります。

/portable — プラットフォームをポータブルモードで実行します。

ポータブルモードでは、通常はユーザーディレクトリに置かれるデータがインストールフォルダの中に保存されます。ショートカットの「リンク先」の末尾に半角スペースを空けて /portable を足すと切り替わります。

どちらの状態かを確かめる一番早い方法は、MT5の「ファイル」→「データフォルダを開く」です。開いた場所が入れたい場所と一致しているかを、インジケーターを入れる前に必ず見てください。

インジケーターを正しい場所に入れたのに反映されない場合は、MT5でインジケーターの初期値を変更しても反映されない理由もあわせてご覧ください。

起動できない時に見る3箇所

  1. ショートカットの「作業フォルダー」 — 方法2で最も多い原因
  2. 同じフォルダから起動していないか — 2つ目のショートカットが1つ目を指している
  3. 同じ口座への同時ログインが許可されているか — 業者の仕様によります

3については、私が使っているTitan FXでは同じ口座に2つの端末から接続できています。ただしこれは業者ごとに異なるため、一般化はできません。口座を分けてしまえばこの点は問題になりません。

検証用として口座を分ける場合、まずはデモ口座で足ります。デモなら費用がかからず、同じMT5に同じ銘柄が並びます。実際の約定やスプレッドまで含めて検証したい段階になってから、追加口座を考えれば十分です。

追加口座を検討する場合は、口座タイプごとに最大レバレッジと契約サイズが違う点に注意してください。私が使っているTitan FXについては、Titan FXでMT5を使う前に確認する6項目で口座条件と金融庁の登録状況をまとめています。

自分は「検証用」として2つ目を使っている

私の環境では、MT5を MetaTrader 5 と MetaTrader 5-2 の2つに分けています。目的は監視する通貨を増やすことではなく、検証用の環境を本番から切り離すことです。

片方では実際のチャートでインジケーターを動かし、もう片方では同じ設定のEAが同じ判断をするかを突き合わせています。1つのMT5でこれをやると、検証のためにインジケーターを入れ替えた結果、本番のチャート設定まで変わってしまいます。

2つ目はポータブルモードにしてあるため、MQL5 フォルダはインストール先の直下にあります。AppData配下を探しても見つかりません。開発したインジケーターをどちらのMQL5に入れたのか分からなくなるのが、この運用で唯一つまずいた点でした。コンパイル先のパスを毎回確認するようにしてからは起きていません。

コンパイルそのものが通らない場合は、MQL5のコンパイルエラーが消えない時に見る順番を先に確認してください。

まとめ

  1. 同じ業者のMT5を2つ使うには、インストール先のフォルダを分ける
  2. 新規インストールなら「インストールフォルダ名」と「プログラムグループ」を変える
  3. フォルダコピーなら、ショートカットの「リンク先」と「作業フォルダー」の両方を書き換える
  4. データフォルダはインストール先ごとに分かれる。/portable を付けるとインストールフォルダ内になる
  5. インジケーターを入れる前に「データフォルダを開く」で場所を確認する

2つ目のMT5が起動したあと、チャートに銘柄が出てこない場合はMT5で気配値が表示されない原因と対処法が参考になります。新しい環境では、銘柄が非表示のままになっていることがよくあります。

複数起動していて「入れたはずのポジションが見えない」時は、別の口座を見ている可能性があります。MT5でポジションが表示されない時の確認で切り分け方を書いています。