ファイル履歴で消したファイルを戻す|MT5のデータフォルダも含める
うっかり消したファイルや、上書きしてしまったEAのソースを戻せるかどうかは、消す前にバックアップの仕組みを動かしていたかで決まります。Windowsには、外付けドライブやネットワークの場所へ、ファイルのコピーを自動で取り続ける「ファイル履歴」があり、エクスプローラーの「以前のバージョンの復元」から戻せます。ただし、既定でバックアップされるのはライブラリなどの決まったフォルダーで、MT5のデータフォルダは自分で足す必要があります。この記事では、Microsoftのサポートページをもとに、設定と復元の手順、MT5のフォルダを含める方法を整理します。
(確認:Microsoft サポート「ファイル履歴を使用したバックアップと復元」(適用先 Windows 11・Windows 10)。画面の文字列は、Windowsの日本語のリソースで確かめました。MT5のデータフォルダの場所は、本サイトのMT5を複数同時起動する方法で確認したMT5の公式ヘルプの記載です。確認日:2026年10月21日。筆者のPCでファイル履歴の設定は変えていません)
ファイル履歴でできること
- 有効にすると、ファイルとフォルダーを継続的に監視し、外部ドライブまたはネットワークの場所へ定期的なバックアップを作る(同じドライブの中にはバックアップしない)
- 既定では、ドキュメント・画像・ビデオ・デスクトップなどの重要なフォルダーが自動でバックアップされる。ほかのフォルダーは、ライブラリに含めることで対象にできる
- 消したファイルや、前の状態のファイルを、時点を選んで戻せる
設定の手順(Microsoftのサポートページ)
- 外付けドライブをつなぐか、バックアップを置くネットワークの場所を用意する
- コントロールパネルの[システムとセキュリティ]で、[ファイル履歴を使用してファイルのバックアップ コピーを保存する]を選ぶ(項目名はMicrosoftのページの表記)
- [オンにする]を選んで、ファイル履歴を有効にする
- ドライブが選ばれていない場合は、[ドライブの選択]から、バックアップに使う外部ドライブかネットワークの場所を選ぶ
MT5のデータフォルダを含める
MT5のEA・インジケーターのソース、設定、ログは、MT5の「データフォルダ」にあります。MT5の公式ヘルプでは、Windows Vista以降、データフォルダは C:\ユーザー\ユーザー名\AppData\Roaming\MetaQuotes\Terminal\インスタンスID\ とされています(MT5の「ファイル」→「データフォルダを開く」で開けます)。ただし、MT5をポータブルモードで動かしている場合は、データがインストール先のフォルダーの中に置かれます。この場所は、ドキュメントやデスクトップのような既定のフォルダーではないため、ファイル履歴の既定の対象には入らないと考えられます。
Microsoftのページでは、既定以外のフォルダーは、フォルダーを右クリックしてライブラリに含めることで、バックアップの対象にできる、と案内されています。MT5のデータフォルダの中で、特に残したいのは次のフォルダーです。
| フォルダー(データフォルダの中) | 入っているもの |
|---|---|
MQL5\Experts\・MQL5\Indicators\・MQL5\Scripts\ |
EA・インジケーター・スクリプトのソース(.mq5)と実行ファイル(.ex5) |
MQL5\Include\ |
自作の共通部品(.mqh) |
MQL5\Files\ |
EAが書き出したCSVなどのファイル |
MQL5\Profiles\ |
チャートの組(プロファイル)など |
フォルダーの名前は、筆者のPCのMT5のデータフォルダで確かめたものです(MT5の版によって違う場合があります)。データフォルダの中身と、別のドライブへコピーして照合する方法はrobocopyでMT5のフォルダをバックアップして照合する方法に、データフォルダが大きくなる理由はMT5のデータフォルダが大きくなる理由にまとめています。
消したファイルを戻す手順
- エクスプローラーで、消したファイルが入っていたフォルダーを開く
- フォルダー名を右クリックし、[以前のバージョンの復元]を選ぶ
- [以前のバージョン]のタブに、使える以前のバージョンが一覧で出る。ファイルが今日消えたなら、昨日の時点のフォルダーを選ぶ
- 中身を見るなら[開く]の矢印から[ファイル履歴で開く]を選ぶ
- [復元]で戻す。今のファイルを上書きしたくない時は、[復元]の矢印から[復元先]を選び、別の場所へ戻す
Microsoftのページには、復元したファイルやフォルダーは、今のバージョンを置き換え、この操作は取り消せない、と書かれています。EAのソースを戻す時は、[復元先]で別のフォルダーへ戻し、中身を比べてから使うのが安全です。
ファイル履歴で戻せない場合
- ファイル履歴を有効にする前に消したファイル
- バックアップの対象に含めていなかったフォルダーのファイル
- 最後のバックアップより後に作って、すぐに消したファイル
これらは、ファイル履歴では戻せません。消したファイルを復元ソフトで探す場合は、そのドライブへの書き込みをすぐ止めることが大事です。SSDでは、TRIMという仕組みで、消したデータが早く消える場合があります(SSDのTRIMと、消したファイルの復元)。故障の兆候がある時の対応と、データ復旧の事業者に頼む前の確認は、SSD・HDDが壊れる前後にやることにまとめています。
この記事で確かめていないこと
- AppDataの中のフォルダーを、実際にライブラリに含めてファイル履歴でバックアップできるか(筆者のPCで設定していません)
- バックアップの頻度・保存期間の既定値(詳細設定で変えられる)
- Windows 11の新しい「Windows バックアップ」との違い
まとめ
- ファイル履歴は、外部ドライブかネットワークの場所へ、ファイルのコピーを自動で取り続けるWindowsの機能
- 既定の対象はドキュメントなどの決まったフォルダー。MT5のデータフォルダ(AppData\Roaming\MetaQuotes\Terminal\…)は、自分でライブラリに含める
- 戻す時は、フォルダーを右クリック→[以前のバージョンの復元]。EAのソースは[復元先]で別の場所へ戻してから比べる
本記事はMicrosoftのサポートページにもとづく設定の説明です。ファイルの復元を保証するものではありません。


