副業20万円以下でも住民税の申告|確定申告しない時の市区町村への申告
会社員の副業の所得が年20万円以下なら、所得税の確定申告はしなくてよい場合があります。ただ、これは所得税の話で、住民税には同じような「申告しなくてよい範囲」が無い、と説明している市があります。この記事では、名古屋市・横浜市・大阪市の公式ページをもとに、副業の所得が20万円以下の時の住民税の申告を整理します。
(確認:国税庁 タックスアンサーNo.1900、名古屋市「給与所得者で副収入がある場合、市民税・県民税の申告は?」、横浜市「給与以外に副収入がある場合の住民税の申告は…」、大阪市「市民税・府民税の申告について」。確認日:2026年10月21日。住民税の申告は市区町村ごとの手続きなので、住んでいる市区町村の案内で確かめてください)
所得税:20万円以下なら確定申告しなくてよい場合
国税庁のタックスアンサーNo.1900では、給与を1か所から受けていて、給与の全部が源泉徴収の対象になる人は、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円以下なら、確定申告は不要とされています(給与の収入が2,000万円以下などの条件があります)。詳しくは副業のアフィリエイト・EA販売の確定申告にまとめています。
住民税:20万円以下でも申告が要る(市の説明)
| 市 | 公式ページの説明 |
|---|---|
| 名古屋市 | 所得税には申告を省略できる場合があるが、市民税・県民税には、所得税のような申告の省略範囲はなく、原則としてすべての所得を申告する必要がある。給与所得以外の所得が20万円以下の場合にも、市民税・県民税の申告が必要。所得税の確定申告をする場合は、改めて申告は不要 |
| 横浜市 | 給与所得以外の所得の年間合計が20万円以下なら所得税の確定申告をしなくてもよいが、所得税の確定申告をした場合は住民税の申告がされたとみなされ不要、確定申告をしなかった場合は住民税の申告が必要 |
| 大阪市 | 事業でない程度(副業など)の報酬(原稿・作曲・デザイン・講演料など)による所得があった場合などは、3月15日(土日祝なら翌開庁日)までに申告する。所得の合計が20万円を超える場合は、所得税の確定申告が必要 |
3つの市とも、「所得税の確定申告をすれば、住民税の申告は別に要らない。確定申告をしないなら、住民税の申告が要る」という整理です。名古屋市の例(会社員が原稿料10万円を受け取った場合)では、市民税・県民税の申告書を、住んでいる区を担当する市税事務所に出すよう案内されています。
どちらで申告するか
| 副業の所得 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 20万円を超える | 確定申告が必要 | 確定申告をすれば、別の申告は不要 |
| 20万円以下・確定申告をする(医療費控除などで) | 副業の所得も含めて申告 | 別の申告は不要 |
| 20万円以下・確定申告をしない | 不要 | 市区町村に住民税の申告をする |
20万円以下でも、医療費控除やふるさと納税(寄附金控除)などで確定申告をする場合は、副業の所得も含めて申告します(ふるさと納税のワンストップ特例との関係は、別の記事「ふるさと納税のワンストップ特例と副業の確定申告」にまとめています)。
判定の例
会社員(給与1か所・年末調整あり)が、アフィリエイトの副業をしている場合で考えます(所得=収入−経費)。
| 例 | 副業の所得 | ほかの事情 | やること |
|---|---|---|---|
| A | 8万円 | なし | 所得税の確定申告は不要な場合。住民税の申告をする |
| B | 8万円 | 医療費控除を受けたい | 確定申告をする(副業の8万円も含める)。住民税の申告は別に不要 |
| C | 25万円 | なし | 確定申告をする。住民税の申告は別に不要 |
Aのように、所得税の確定申告をしない人ほど、住民税の申告を忘れやすい点に注意します。また、国税庁と総務省の資料では、医療費控除などのために住民税の申告をした場合も、ふるさと納税のワンストップ特例は適用されないとされています。Aの人がふるさと納税でワンストップ特例を申請している場合は、住民税の申告ではなく、確定申告で副業の所得と寄附金控除をまとめて申告する方法があります(総務省の資料では、特例が適用されなくなった人は確定申告で寄附金を申告する必要があるとされています)。住民税の申告で済ませる場合の扱いは、市区町村に確かめてください。
住民税はどれくらい増えるか(目安)
総務省の説明では、住民税の所得割の税率は10%です。ほかの控除の影響を除いた目安としては、副業の所得が10万円なら住民税はおおむね1万円、20万円ならおおむね2万円増える計算です(筆者の概算)。住民税を給与から天引きにするか、自分で納付するかは、確定申告書で選べます(副業の住民税を自分で納付にする欄)。住民税の申告書での選び方は、市区町村の様式で確かめてください。
申告の前に用意するもの
- 副業の収入と経費の記録(所得=収入−経費)。経費の考え方は副業の経費と按分の考え方
- 支払調書や、報酬の明細(源泉徴収された額が分かるもの)
- 住んでいる市区町村の申告書の様式と、提出先(大阪市・名古屋市は市税事務所。期限は3月15日が基本)
この記事で確かめていないこと
- 名古屋市・横浜市・大阪市以外の市区町村の扱い(同じ考え方が多いと見られますが、確かめていません)
- 住民税の申告をしなかった場合の扱い
- eLTAXなど、電子での住民税の申告の可否(市区町村による)
まとめ
- 副業の所得が20万円以下なら、所得税の確定申告は不要な場合がある(国税庁No.1900)。ただし、住民税には同じ省略の範囲は無い、と名古屋市などは説明している
- 所得税の確定申告をすれば、住民税の申告は別に要らない。確定申告をしないなら、市区町村に住民税の申告をする
- 住民税の所得割は10%。副業の所得10万円で、おおむね1万円の目安
本記事は国税庁と市の公表資料にもとづく一般的な情報です。手続きは、住んでいる市区町村で確かめてください。


