MT5で複数ポジションをまとめて決済する方法|「一括操作」の場所

MT5で保有中のポジションをまとめて閉じるには、ツールボックスの「取引」タブでポジションを右クリックし、「一括操作」から選びます。

探しても見つからない原因は表記の違いです。MT5には「一括決済」という名前のメニューがありません。画面上の表記は「一括操作」で、その中に決済の項目が並んでいます。

この記事では、一括操作にある6つの選択肢、ポジションと注文の違い、閉じられない時に見る箇所までを扱います。

(確認環境:MetaTrader 5 / Windows 11)

MT5に「一括決済」というメニューは無い

検索で使われる言葉は「一括決済」ですが、MT5の画面にこの文字列は出てきません。該当する機能は「一括操作」という名前になっています。

メニューを上から順に探しても見つからないのはこのためです。用語が違うだけで、機能そのものは標準で備わっています。外部のツールやスクリプトを入れる必要はありません。

「一括操作」の場所と6つの選択肢

  1. Ctrl + T でツールボックスを開く
  2. 「取引」タブを選ぶ
  3. 保有中のポジションの上で右クリックする
  4. 「一括操作」にカーソルを合わせる

開いたメニューには次の6項目が並びます。

項目 対象
すべてのポジションを決済 保有中のポジション全部
収益性の高いポジションを決済 含み益が出ているものだけ
損失のあるポジションを決済 含み損が出ているものだけ
すべての注文を削除 まだ約定していない注文
リミット注文を削除 指値注文だけ
ストップ注文を削除 逆指値注文だけ

同じ右クリックメニューには「新規注文(F9)」「注文変更または取消」「トレーリングストップ」も並んでいます。押し間違えると意図しない発注になるため、位置を覚えておいてください。

利益だけ・損失だけを閉じられる

上の表の2番目と3番目は、多くの解説記事で触れられていない項目です。

  • 収益性の高いポジションを決済 — 含み益のものだけ利益確定する
  • 損失のあるポジションを決済 — 含み損のものだけ損切りする

選ぶだけで対象が絞られるので、1件ずつ選択して閉じる必要はありません。複数の通貨ペアを同時に持っている時に効きます。

ただし判定は実行した時点の損益で行われます。スプレッドの分だけ不利な側で評価されるため、建値付近のポジションがどちらに分類されるかは実行してみないと確定しません。

ポジションの決済と注文の削除は別物

「すべてのポジションを決済」を実行しても、まだ約定していない指値・逆指値注文は残ります。

全部を消したい場合は2段階です。

  1. すべてのポジションを決済(保有中のものを閉じる)
  2. すべての注文を削除(待機中のものを消す)

ここを1回で済ませたつもりで席を離れると、残っていた指値が後から約定してポジションが復活します。「全部閉じたはずなのに持っている」という状態の原因はほとんどこれです。

うまく閉じられない時に見る箇所

  1. 取引時間外になっていないか — 市場が閉じている間は決済注文が通らない
  2. 取引が許可されているか — 口座の状態によっては決済のみ可能な場合がある
  3. 「取引」タブを見ているか — 「口座履歴」タブには右クリックしても一括操作は出ない

3は単純ですが実際に起きます。過去の取引を眺めていた流れでそのまま右クリックすると、メニューの中身が変わっていることに気づきにくいためです。

なお、保有できるポジションの持ち方は口座タイプによって違います。MT5にはヘッジとネッティングの2種類があり、ネッティング口座では1銘柄につきポジションが1つにまとめられます。同じ銘柄の買いと売りを同時に持てないため、「すべてのポジションを決済」で閉じる対象の数え方も変わります。

一部だけ閉じたい場合

数量の一部だけを決済したい場合は、一括操作ではなく個別の決済になります。手順はMT5の分割決済(部分利確)のやり方にまとめています。

また、保有しているポジションの一部だけに別の決済逆指値・決済指値を置くことはできません。分けたい場合はエントリーの時点で分ける必要があります。決済条件そのものの置き方はMT5の決済逆指値・決済指値の設定方法で扱っています。

まとめて閉じても、次に同じことが起きる

一括操作は「いま起きている状態」を片付ける機能です。押し忘れていた、気づいたら増えていた、という状況そのものは変わりません。

同じことを繰り返しているなら、閉じ方より閉じる条件をあらかじめ決めておく方が効きます。考え方はMT5で決済忘れを防ぐ方法に整理しました。

時間で区切って自動的に閉じる方法もあります。手動のボタンに頼らずに済むため、画面を見ていられない時間帯がある場合はこちらが現実的です。実装の方法はMT5で決済だけを自動化する方法にまとめています。

まとめ

  1. MT5に「一括決済」という表記は無い。「取引」タブで右クリック →「一括操作」
  2. 決済は3種類(すべて/収益性の高いもの/損失のあるもの)
  3. ポジションの決済と注文の削除は別項目。両方やらないと指値が残る
  4. 閉じられない時は、取引時間・口座の状態・見ているタブを確認する
  5. 一括操作は後始末の機能。繰り返すなら閉じる条件を先に決める

新規注文を2つ置いて片方だけ残す使い方を考えている場合は、先にMT5にOCO注文はあるかを確認してください。標準では関連付けされません。条件を絞って閉じたい場合はMT5のスクリプトとEAの違いで扱っています。

同じことをコードで行う場合は、条件を絞って閉じられます。書き方はMQL5でポジションを決済する方法に、時刻で自動的に実行する形はMQL5で一定時間ごとに処理する方法にまとめました。

ポジションを1つずつ閉じる基本の手順と、口座の種類(ネッティング・ヘッジ)で反対の注文の結果が変わる点はMT5の決済方法|反対注文の結果は口座の種類で変わるにまとめました。

本記事は操作手順を説明したものであり、特定の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。FXは元本割れの可能性があります。