MT5の決済方法|反対注文の結果は口座の種類で変わる
MT5でポジションを決済する基本は、「取引」タブでポジションをダブルクリックし、開いた画面の下にある「〜 を成行決済」ボタンを押すことです。注意したいのは、「同じ銘柄に反対の注文を出して決済する」やり方は、口座の種類によって結果が変わる点です。
ネッティング口座では反対の注文で決済されますが、ヘッジ口座では決済されず、買いと売りの両方を持つ状態(両建て)になります。
(確認環境:MetaTrader 5 / Windows 11。画面の表記はMT5本体に含まれる文字列で確認しています)
決済のやり方は5つ
| やりたいこと | 方法 | 詳しい手順 |
|---|---|---|
| 1つのポジションを全部決済 | ダブルクリック →「〜 を成行決済」 | この記事 |
| 一部だけ決済 | 注文画面で数量を減らして決済 | 分割決済のやり方 |
| 複数をまとめて決済 | 右クリック →「一括操作」 | まとめて決済する方法 |
| 決めた価格で自動的に決済 | 決済逆指値(S/L)・決済指値(T/P)を入れておく | 決済逆指値・決済指値の設定 |
| 反対のポジションと相殺して決済 | Close By(ヘッジ口座のみ) | この記事 |
基本の手順:1つのポジションを全部決済する
- ツールボックスを開く — 画面下に無ければ Ctrl+T で表示を切り替えます
- 「取引」タブを開く — 保有中のポジションが1行ずつ並んでいます
- 決済したい行をダブルクリック — 「ポジション: #(チケット番号)…」というタイトルの画面が開きます。同じ銘柄が複数ある時は、チケット番号で見分けます
- 左側の一覧で、一番上の項目が選ばれていることを確認 — 画面では「カウントダウン注文」と表示されます。「Limit 注文」「Stop 注文」などを選ぶと、今すぐの決済にはなりません
- 「〜 を成行決済」と書かれたボタンを押す — 例えば「#83418790 sell 0.38 GBPJPY-m 208.134 を成行決済」のように、チケット番号・売買・数量・銘柄・建値がボタンに表示されます
ボタンの文字に、決済するポジションが書かれています。押す前にここを読めば、別のポジションを閉じる間違いを防げます。
なお、MT5本体には「〜 を 〜 で決済」という表記も含まれています。業者の執行方式によっては、こちらの形で表示される可能性があります。
口座の種類で「反対の注文」の結果が変わる
MT5の口座には、ポジションの持ち方が違う2つの方式があります。MetaTrader 5 の公式ヘルプの説明をまとめると次のとおりです。
| ネッティング口座 | ヘッジ口座 | |
|---|---|---|
| 1銘柄のポジション数 | 1つだけ(共通のポジション) | 複数持てる(反対方向も含む) |
| 同じ銘柄に反対の注文を出すと | 数量が減る・決済される・反転する | 新しいポジションが開く(両建て) |
| 決済のやり方 | 同じ数量の反対の注文でもよい | ポジションを指定して決済する |
| Close By | 使えない | 使える |
公式ヘルプには「ヘッジシステムではポジションは反転することはできません」とも書かれています。
よくある間違い:新規注文の「売り」で決済したつもりになる
買いポジションを閉じるつもりで、新規注文から同じ数量の「売り」を出したとします。
- ネッティング口座:買いが閉じて、ポジションは0になります
- ヘッジ口座:買いはそのまま残り、売りのポジションが新しく増えます
ヘッジ口座で同じ数量の両建てになると、その後の値動きでは損益が増えも減りもしなくなります。しかし決済したことにはなっていません。2つのポジションが残り、あとで両方を閉じる必要があります。
反対に、ネッティング口座で「保有量より多い」反対注文を出すと、決済のつもりが反対方向のポジションを持つことになります(反転)。
自分の口座がどちらかを見分ける
いちばん確実なのは、口座を開いた業者の口座仕様を確認することです。
画面から見分けるなら、「取引」タブで同じ銘柄のポジションが2行以上並んだことがあるかを見てください。並ぶならヘッジ口座です。ネッティング口座は1銘柄につき1つにまとまるので、同じ銘柄が複数行になることはありません。
Close By:反対のポジションと相殺して決済する
ヘッジ口座で両建てになっている時は、買いと売りを互いに相殺して決済できます。公式ヘルプの手順は次のとおりです。
- 決済したいポジションをダブルクリックして注文画面を開く
- 注文の種類で「Close By」を選ぶ
- 相殺する反対のポジションを選んで、決済を押す
MT5本体でも、この項目は日本語化されずに「Close By」という表記のままです。ネッティング口座には、この項目自体がありません。
決済できない時に出るメッセージ
決済のボタンを押しても閉じない時は、メッセージを読むと原因が分かります。いずれもMT5本体に含まれる文言です。
| メッセージ(冒頭) | 意味 |
|---|---|
| 決済する数量がポジションの数… | 保有量より多い数量で決済しようとしている |
| このポジションを決済するための注文は既に存在… | 同じポジションの決済注文がすでに出ている |
| FIFOルールによるポジション決済禁止 | 業者のルールで、古いポジションから順にしか決済できない |
| ポジション決済のみ可能 | 新規の注文が止められ、決済だけが許されている状態 |
注文そのものが通らない時のメッセージはMT5で注文できない時の確認にまとめています。
決済を「押し忘れ」で遅らせないために
決済は、ここまでの操作をすべて自分で行う必要があります。含み損を見ているうちに押せなくなる、席を外して押し忘れる、ということが起きます。
押すこと自体を仕組みに任せる考え方はMT5で決済忘れを防ぐ方法とMT5で決済だけを自動化する方法で書いています。
まとめ
- 基本は「取引」タブでダブルクリック →「〜 を成行決済」
- ボタンに決済するポジション(チケット番号・数量)が書かれているので、押す前に読む
- ネッティング口座は反対の注文で決済・反転する。ヘッジ口座は反対の注文で両建てになる
- ヘッジ口座の両建ては「Close By」で相殺できる
- 一部決済・一括決済・自動決済は、それぞれの記事の手順で
ワンクリック取引を有効にすると、「取引」タブの損益欄のボタンで確認なしに決済されるようになります。MT5のワンクリック取引で詳しく書いています。
本記事は操作手順を説明したものであり、特定の売買や業者を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。FXは元本割れの可能性があります。


