移転先のWordPressを公開前に見る方法|curl --resolveとhostsファイル
WordPressをサーバー移転する時、いちばん不安なのは、ドメインを新しいサーバーに切り替えたら、サイトが壊れていたという事態です。切り替える前に、新しいサーバーのサイトを自分のPCだけで見られる方法が2つあります。curlの --resolve(コマンド1回だけ有効)と、hostsファイル(書き換えている間、ずっと有効)です。この記事では、2つの違いと手順、当サイトで試した結果を示します。
(確認:curl公式ドキュメントの --resolve、Microsoft Learn「PowerToys Hosts File Editor」。確認日:2026年10月16日。--resolve は、当サイトの現在のサーバーのIPで実行して確かめました。hostsファイルは、筆者のPCに存在することだけを確認し、書き換えてはいません)
仕組み:ドメインを「自分のPCだけ」別のIPに向ける
ブラウザは、サイトを開く時にまずDNSでドメインのIPを調べます。この調べる部分だけを、自分のPCの中で上書きすれば、世間のDNSはそのままで、自分だけ新サーバーを見られます。サーバー移転の前に、新サーバーのIPアドレスを、サーバー会社の案内で控えておきます。
方法1:curl --resolve(おすすめ)
curl.exe -s -o NUL -w "%{http_code} %{remote_ip} %{time_starttransfer}\n" --resolve ドメイン名:443:新サーバーのIP https://ドメイン名/
curlの公式ドキュメントによると、--resolve <host:port:addr> は、指定したホストとポートの組み合わせを、指定したアドレスに向けます。そのコマンドだけに効き、PCの設定は変わりません。当サイトの現在のサーバーのIPで試すと、次のようになりました。
> curl.exe -s -o NUL -w "%{http_code} %{remote_ip} %{time_starttransfer}\n" --resolve realine.net:443:162.43.116.17 https://realine.net/
200 162.43.116.17 0.469855
「200」はページが返ったこと、「162.43.116.17」は実際につないだ先のIP、最後の数字は最初の1バイトまでの秒数です。新サーバーのIPで試して、200が返り、サイトのHTMLが正しく出れば、少なくともWebサーバーは動いています。ただし、SSL証明書がまだ発行されていない新サーバーでは、この方法でも証明書のエラーになる可能性があります(この記事では確かめていません)。
方法2:hostsファイルを書き換える
Windowsのhostsファイルは、C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts にあります(筆者のPCでの存在を確認しました)。1行を足します。
新サーバーのIP ドメイン名
新サーバーのIP www.ドメイン名
Microsoftの公式ドキュメントでは、PowerToysのHosts File Editorで編集する方法が紹介されています。新しいエントリでIPアドレスとホスト名を入れ、「アクティブ」をオンにして追加します。このツールは、管理者として開かないと読み取り専用になります。編集前のバックアップは15日後に削除されますが、最新の5つは常に残る、とも書かれています。
書き換えたら、ブラウザを開き直し、必要なら ipconfig /flushdns でPCのDNSの記憶を消します。確認が終わったら、追加した行を削除してください(消し忘れると、移転後もずっと旧サーバーまたは新サーバーに固定されてしまい、原因が分からなくなります)。
どちらを使うか
| curl --resolve | hostsファイル | |
|---|---|---|
| 効く範囲 | そのコマンドだけ | PC全体(ブラウザも) |
| 戻し忘れ | ない | ある |
| ブラウザで画面を見る | できない | できる |
| 管理者権限 | 不要 | 必要 |
筆者は、まず --resolve でHTTPステータスと速度を確認し、画面の崩れを見たい時だけhostsファイルを使う、という順番を勧めます。
確認する項目
- トップページと記事が表示される(HTTP 200)
- 画像・CSSが読み込まれ、レイアウトが崩れていない
- 管理画面にログインできる
- リダイレクト(旧URL→新URL)、パーマリンクが想定どおり
- 表示速度が極端に遅くない(curlでTTFBを測る方法)
移転の全体の手順はWordPressをサーバー移転する手順|同じドメインのまま移す流れ、バックアップはWordPressのバックアップ|ファイルとデータベースの両方を保存するにあります。切り替えた後の、DNSの確認はドメインが反映されない時の調べ方が参考になります。
まとめ
- ドメインを切り替える前に、新サーバーを自分のPCだけで確認できる
- curlの
--resolveは、そのコマンドだけに効き、戻し忘れがない。hostsファイルはブラウザで見られるが、戻し忘れに注意 - 確認は、HTTP 200・画像とCSS・管理画面・リダイレクト・速度の順に見る
本記事は手順の説明であり、特定のサービスを勧めるものではありません。hostsファイルの編集は、自己責任で行ってください。


