MQL5仮想ホスティングの条件|DLLが使えない・スクリプトは移せない

MT5には、メタクォーツ社が提供する「MQL5仮想ホスティング」(バーチャルホスティング)という、EAを24時間動かすための貸しサーバーの仕組みがあります。MT5から直接借りて、チャートとEA・指標を、パソコンから「移行」するだけで使えます。ただし、DLLは使えない・スクリプトは移せない・ワンタイムパスワードの口座は使えないなどの条件があります。一般のWindowsのVPSとは、できることが違います。

この記事では、MetaTrader 5の公式ヘルプ「24/7操作用のバーチャルホスティング」にもとづいて、仕組み、条件、解約の扱いをまとめます。料金は変わるため、金額は書いていません。

(確認:MetaTrader 5 公式ヘルプ「バーチャルホスティング」「サーバの登録」「移行」「バーチャルプラットフォームの操作」、MT5本体の文字列。確認日:2026年10月6日。実際に借りて検証したものではありません)

仕組みの要点(公式ヘルプ)

  • MT5から直接、取引口座用の仮想サーバーを借りる。ナビゲーターで口座を右クリックし、「バーチャルサーバを登録」を使う
  • ブローカーに最も近いサーバーを自動で選び、取引サーバーまでのネットワーク遅延(ping)を小さくできる
  • 支払いはMQL5.communityのアカウントで行う。アカウントが無ければ登録する
  • パソコンのMT5の環境(チャート・EA・指標)を、仮想サーバーへ「移行」する。移行は一方向で、パソコンから仮想サーバーへのみ(逆はできない)
  • ブローカーが料金を払う「スポンサー」のプランがある場合もある(ブローカーによる)

使えない・移せないもの

項目 内容(公式ヘルプ)
DLL 仮想プラットフォームでは、DLLの呼び出しは完全に禁止されている。DLLを使うEAは、移行に失敗する(本体に「失敗しました:DLLは許可されていません。…チャートからエキスパートを削除してもう一度移行してください。」の文字列がある)
スクリプト チャート上で無限ループで動いていても、移行されない
一部のチャート 標準でない時間枠や銘柄のチャートは、移行されない
ワンタイムパスワードの口座 接続のたびに手動でワンタイムパスワードの入力が必要な口座は、使えない
EAがないチャートの指標 カスタムインディケータだけのチャートは、同期の対象に含まれない。EAのない「空の」チャートに指標を載せる方法の案内がある
チャートのバー数 仮想プラットフォームは、利用できる履歴を自動でダウンロードし、50万本未満のバーが使えるようにしている

移行の前に準備すること

  • 気配値表示の銘柄を、必要なものだけにする(ティックの通信量を減らすため)
  • 本当に必要なチャートだけを開く。プラットフォーム設定の「チャートのバーの最大数」を、小さめにする(MT5が重い時に見直す設定)
  • EAと指標の入力パラメータを、再度確認する
  • メールを送るEAは、メール設定を入れる(MT5のメール通知の設定)。WebRequest を使うEAは、許可するURLの設定を入れる(WebRequestの許可リスト)
  • マーケットで買ったEAは、移行でライセンスが自動で渡り、利用できるアクティベーションの数は減らない(公式ヘルプ)

移行したあとの動き

  • 仮想プラットフォームでは、自動売買は常に許可される。パソコン側で自動売買をオフにしていても、移行されたEAは取引できる。不審なEAは起動しない(公式ヘルプ)
  • EAを移行すると、パソコン側のMT5の自動売買は自動で無効になる。同じ口座で、2つのプラットフォームが同じEAで取引する状況を避けるため
  • パソコンを閉じていても、仮想サーバーのEAは動き続ける
  • 仮想サーバーの状態・ping・CPU・メモリ・ディスクの使用状況・EAの一覧は、ナビゲーターのメニューや、「VPS」の画面で確認できる
  • ログは、「VPS」→「ジャーナル」から取得する(操作ログとエキスパートログの違い)

期限と解約

  • 契約には自動更新がある。サブスクリプションの有効期限が切れると、ホスティングのデータはサーバーから完全に削除される。再び借りると、環境を新しく作り直す必要がある(公式ヘルプ)
  • 自動更新は、期限の前日に課金を試みる。失敗した場合は、MQL5アカウントのメールに通知が来る
  • キャンセルすると、仮想プラットフォームと、移行したデータは完全に削除され、回復できない
  • 払い戻しは、購入から24時間以内にキャンセルした場合のみ。その後は返金されないが、未使用の時間は、無料の分としてMQL5アカウントに加算される(公式ヘルプ)

最新の条件・料金・払い戻しは、公式サイトとMT5の画面で確認してください。

一般のWindowsのVPSとの違い

項目 MQL5仮想ホスティング WindowsのVPS(借りる方式)
使い方 MT5から借りて、環境を「移行」する リモートデスクトップで入って、MT5を自分で入れる
DLL 使えない 使える(EAの条件による)
MT5以外のソフト MT5の環境を移行する仕組み。他のソフトを入れる説明は、公式ヘルプにはありません Windowsなので、自由に入れられる(契約の範囲で)
ネットワーク ブローカーに近いサーバーを自動で選ぶ サービスと場所による
手間 少ない(公式ヘルプ:追加の設定は不要) Windowsの設定・更新・セキュリティの管理が必要

DLLを使うEAや、MT5以外のソフトも動かしたい場合は、WindowsのVPSが選択肢になります。WindowsのVPSを使う時の注意はリモートデスクトップの「切断」と「サインアウト」、Windows Updateの再起動にまとめています。パソコン・VPS・仮想ホスティングの違いの全体はスマホのMT5でEAは動かせない|PCかVPSで動かすにあります。

まとめ

  • MQL5仮想ホスティングは、MT5から借りて、環境を移行する仕組み。ブローカーの近くのサーバーが選ばれる
  • DLL・スクリプト・ワンタイムパスワードの口座は使えない。期限が切れるとデータは削除される
  • 払い戻しは24時間以内のキャンセルのみ(公式ヘルプ)。最新の条件は公式で確認する

本記事は公式ヘルプの要点であり、特定の売買や業者を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。